こうした「厳しい状況」を一変させる要素が一つある。それは、人々がヒューマノイドと直接関わった経験があるかどうかだ。そうした経験があると、状況は大きく変わる。
まだ一般には普及していないため当然のことだが、ロボットと接したことがある人はわずか7%にとどまっている。そして、実際に接した人の88%は、その体験を肯定的に評価している。ヒューマノイドを見たこともないし接したこともない人々と比べて、購入意向がほぼ3倍になるのだ。
したがって、ロボットメーカーにとって重要なのは、自社のロボットを工場から外に出し、人々が目にすることができる場所に置くことだ。
HumanoidMegaHubにおける筆者のパートナーであり、「Next Events & Conferences」の最高経営責任者(CEO)でもあるトニー・ロビンソンはこう語る。「私が特に感じたのは、人々を躊躇させているのはコストではなく(中略)信頼だということだ。これは解決可能な問題であり、その問題は、小売店の売り場や接客現場、そして実演の場など、一般の人々の目の前で解決されていく」
ヒューマノイドのネットプロモータースコアは極めて低い。ただし、実際に使用してみると、そのスコアは上昇する。
つまり、慣れ親しむことで軽視や無視が生まれるわけではないということだ。少なくともこのケースでは、慣れることで「欲しい」という気持ちが生まれている。
留意すべきは、これはあくまで相関関係であり、因果関係ではないことだ。もともとテクノロジーに慣れ親しんでいる人々は、そもそもロボットに関心を持ちやすく、ロボットと接する仕事に就いている可能性も高い。こうした要因のいずれかが、彼らが「ヒューマノイドを所有すること」に対して、より前向きで興味を持ちやすい理由となっている。
しかし、その差は無視できないほど大きい。倉庫や店舗にヒューマノイドが現れた際の最初の反応は往々にして緊張だが、そのうちに気にも留めない存在になるという。ロボット業界の経営幹部たちの話とも一致している。


