顧客が企業に高い満足度スコアをつけたからといって、必ずしもそのブランドに忠実(ロイヤル)であるとは限らない。単に現時点で満足しているだけかもしれないからだ。むしろ、ロイヤルカスタマーを維持できているという最も強力な兆候は、購買と購買の間にこそ現れる。そのため、企業がより詳細な顧客データを収集するにつれ、従来のロイヤルティ指標を超え、関係性そのものの強さを示す行動を見極めなければならない。
そのためには、事業開発のリーダーが顧客の行動と長期的な価値を結びつけるシグナルを探す必要がある。新たな指標はビジネスごとに異なるかもしれないが、目的は同じだ。それは、どの行動が永続的な関係を予測するかを理解することである。以下では、Forbes Business Development Councilのメンバーが、今後より重要になると予想されるロイヤルティの指標と、その洞察を役立てるためにリーダーが今取るべき行動について解説する。
1. トラブルの後に顧客が戻ってくるかを見極める
大半のロイヤルティ指標は、一度も火事に見舞われたことのない建物を評価しているようなものだ。より優れた測定基準は、トラブル発生後の「復帰率」である。バウチャー(割引券)なしで戻ってくる顧客はどれくらいいるだろうか。ルフトハンザ航空のストライキが発生した際、当社は影響を受けたすべての乗客のルートを1日以内に変更した。トラブルの影響を受けた顧客にタグを付け、12カ月間追跡しよう。もし彼らの戻ってくる頻度が低下しているなら、サービスの約束が、実務(オペレーション)よりもマーケティングにおいて強くアピールされているだけかもしれない。──ジョナサン・フィッツシモンズ、ビジネス・トラベル・グループ
2. 顧客との関係の深さを評価する
「顧客あたりの導入製品数」は、関係の継続期間だけでなく、深さを反映するため、ロイヤルティの最も明確な指標の一つになるだろう。当社のデジタルバンキング企業では、金融機関が口座保有者のライフサイクル全体を通じて関係を強化できるよう支援している。事業開発リーダーは、継続的なエンゲージメントを促進し、製品の採用を増やす戦略を優先すべきだ。──ナサニエル・ハーレイ、アルカミ
3. 自発的に推奨してくれる顧客を追跡する
満足度単体よりも、自発的な推奨(アドボカシー)の方がロイヤルティの強力な測定基準になると私は信じている。サービス企業の場合、それは紹介、契約更新、エンゲージメントの拡大という形で現れる。製品企業の場合、リピート利用、レビュー、シェア・オブ・ウォレット(購買シェア)に現れるかもしれない。事業開発リーダーは、何が推奨を促すのかを特定し、それをカスタマージャーニーに組み込むべきだ。──ディヴィア・アレッシ、LIMB
4. 顧客が生み出し続ける価値に注目する
購入頻度よりも、実現された顧客生涯価値(LTV)の方がロイヤルティの強力な指標になると考えている。これは、リピート購入、サービス、クロスセル、そしてデータ共有を通じて顧客が生み出し続ける価値のことだ。ビジネスリーダーは、維持率、収益性、エンゲージメントと並行してこれをモニタリングし、関係を単なる取引から真のパートナーシップへと移行させるべきである。──ダヴィデ・サルティーニ、ビランチャイ・グループ
5. 顧客が自身の代わりに機能するAIをどれほど信頼しているかを見る
リピート購入率ではなく、自動化されたインタラクション(やり取り)に対する信頼の深さが、真の指標となるだろう。顧客が再確認することなく、AIシステムに自身の代理としての行動を委ねるとき、それこそがロイヤルティである。リーダーは、顧客がためらうことなくAIの推奨事項を受け入れる頻度を追跡し、その信頼の低下を些細な兆候ではなく、早期の警告として扱うべきだ。──ヒルダ・マールーフ、AIシンプリファイド・ナレッジ・ハブ
6. 顧客が組織全体とどれほど深くつながっているかに注目する
「エコシステムにおける協業シェア」を適用することだ。この手法は、部門横断的な接点や共有ワークフローにおける業務的な粘着性(スティッキネス)を追跡するものであり、表面的なNPS(ネット・プロモーター・スコア)を凌駕する。リーダーには、単一の連絡窓口に依存するリスクを監査し、代替不可能なアカウントを確保するために統合(インテグレーション)を積極的に拡大することが求められる。──ウィリアム・ディカウシー、アメリライフ
7. 顧客が助けを必要とするときに「最初に電話をかける相手」になる
私は「ファーストコール(最初の電話)」を測定する。問題が発生したとき、新しいアイデアが浮かんだとき、あるいは顧客が変更を検討しているとき、彼らは最初に誰に電話するだろうか。それがあなたなら、アンケート調査のいかなる結果よりも多くを物語っている。そのようなロイヤルティは、ポイントや特典で作り出すことはできない。売るものが何もないときに姿を見せることで、勝ち取るものなのだ。──リチャード・リンドホーン、ビボアクアティクス
8. 自社製品が日々の業務にいかに不可欠になっているかを見極める
新たに登場しているロイヤルティ指標は「統合の深さ」、すなわち製品が顧客のワークフローにいかに深く織り込まれているかだ。日々の業務の一部となっている製品は、アンケートで高く評価されているだけの製品よりも、はるかに代替が困難である。行動面での依存度は、表明された満足度よりも、契約更新の強力な予測因子になりつつある。顧客はあなたの製品が好きだから留まるのではない。自社のビジネスがその製品で動いているから留まるのだ。──プラニース・クディティプディ、サキュメン
9. 価格改定時にロイヤルティをテストする
興味深いロイヤルティ指標の一つは、価格が変更されたときに顧客の行動がどう変化するかだ。わずかな値上げで即座に他社へ乗り換えるのであれば、その関係はロイヤルティというよりも、単に価格に基づいていた可能性が高い。リーダーは、単に最も安い選択肢を得ること以上の価値を見出し、留まってくれる顧客に注目すべきである。──ブライス・ウェルカー、ザ・CPA・イグザム・ガイ
10. 顧客が自発的に自社について言及するタイミングを監視する
自発的な言及は極めて重要だ。アンケートやスコアではなく、あなたがその場にいないときに、顧客がどれほど他人にあなたの製品の名前を出しているかということである。仕様作成者が文書にブランド名を書き込んだり、購買担当者があなたが参加していない会議でその製品に言及したりすること。それこそが、求める必要のない本物のロイヤルティだ。あなたがいない場所で自社の名前がどこに現れているかを追跡し、そうして口コミを広げてくれている顧客に投資しよう。──アリ・アイダン、ドリックス
11. AIが自社を推奨しているかどうかを確認する
AIにおける視認性は、顧客の信頼を示す新たな指標になると私は信じている。人々が解決策を求めたときに、AIが継続的にあなたの会社を推奨するならば、それは評判と関連性の両方を反映している。事業開発リーダーは、顧客関係に投資するだけでなく、自社の専門知識がAIに理解され、発見されやすくなるようにすることにも投資すべきだ。──ヴァレリー・マンジウク、ユーファースト・プロダクション



