経営・戦略

2026.09.29 09:47

AI時代の人事戦略、経営幹部が2026年に追うべき20の指標

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従業員数、定着率、採用までの所要時間といった従来の人材指標は有用な情報を提供するが、変化するビジネスニーズに対応できる人材を組織が備えているかどうかを、必ずしも経営層に示してくれるわけではない。AIが職務を再編し、組織が継続的な変化に向き合うなか、経営幹部には人材パフォーマンスをより広い視点で捉えることが求められる可能性がある。

スキル、適応力、生産性、従業員体験に関連する指標を見ることで、従来の指標では見落とされがちなリスクや機会が見えてくる。ここでは、Forbes Human Resources Councilのメンバーが、2026年に経営幹部がより注目すべきだと考える20の人材指標と、その重要性を紹介する。

1. 能動的エンゲージメント

生産性、収益性、持続可能性のいずれであれ、組織のあらゆる価値マトリクスにおける能動的エンゲージメントである。人事チームは、こうしたエンゲージメント活動の優れた土壌となるインクルーシブな環境を定義し、設計し、育てる必要がある。能動的にエンゲージしている従業員は、バランス・スコアカードのあらゆる側面において、同じ生産性を8時間勤務で提供するエンゲージしていない従業員よりも、1時間あたりの生産性を高められる。 - Dr. Manish Pratap Singh Chandel, Fabtech International Ltd.

2. 社内流動性

社内流動性には、より注目する必要がある。具体的には、重要ポジションのうち、すでに組織内にいる人材によって充足された割合である。私たちは人材の獲得や定着の測定には膨大な労力を費やしているが、人材が実際に異動できているかどうかの測定は十分ではない。スキルが急速に変化する世界で問うべきなのは、単に「優秀な人材を維持できるか」ではない。「優秀な人材を、事業が次に必要とする場所へ再配置できるか」である。だからこそ、社内流動性は人事指標以上の意味を持つ。 - Steve Pemberton, Seramount

3. 心理的資本

心理的資本にはもっと注目すべきだ。この概念は、希望(Hope)、効力感(Efficacy)、レジリエンス(Resilience)、楽観性(Optimism)という、開発可能な4つの能力(頭文字を取って「HERO」と呼ばれる)を測定する。これらは従業員が目標を追求し、挫折に対応し、変化に適応する方法に影響を与える。心理的資本を測定することで、経営幹部は自社の人材がどこで支援を必要としているかを特定し、パフォーマンス、ウェルビーイング、組織のレジリエンスを強化する人的能力に、より的確に投資できるようになる。 - Jeff Bergin, General Assembly

4. 自発的離職率

在籍期間コホート別の自発的離職率は、人材流出がどこで起きているのか、また新規採用者が離れているのか、長期勤続者が離れているのかを正確に示す。従業員100人未満のスタートアップにとって、この指標は文化上の課題、オンボーディングの不足、役割のミスマッチを早期に浮かび上がらせる。成長期において勢いを守り、再採用コストを抑え、安定性を維持するのに役立つ。 - Nakisha Dixon, EM2 Electrical Services, LLC

5. 変化への準備度

変化への準備度には、より注目する必要がある。不確実性は常態化しており、勝つのは適応力である。これはテクノロジーの問題である前に、人の問題だ。マネジャーはそれを反発と呼ぶ。それは跳ね返ってきた抵抗であり、自らが生み出した懐疑が戻ってきているのである。変革マネジメントを好意的に評価している従業員は55%にすぎない。行動データは、何が各人にとって魅力的なのかを示す。マネジャーは、他者が自分の役割を果たしていないと批判する前に、自らの役割を果たさなければならない。 - Matt Poepsel, The Predictive Index

6. 生産性到達までの時間

より注目すべきなのは、採用までの時間ではなく、生産性到達までの時間である。経営幹部はポジションがどれだけ早く埋まるかに執着する一方、その人が実際にどれだけ早く貢献し始めるかはほとんど追跡していない。素早く採用できても立ち上がりに4カ月かかる人材は、採用に時間がかかっても3週間で生産性を発揮する人材よりコストが高い。測定するものを変えれば、採用に関する議論全体が、スピードから実際のインパクトへと移る。 - Ritu Mohanka, VONQ

7. マネジャーの有効性

マネジャーの有効性は、生産性、定着、エンゲージメントの背後にある乗数であるにもかかわらず、いまだに最も測定されていないリーダーシップ成果の1つである。経営幹部がより良い事業パフォーマンスを望むなら、マネジャーが業務上のKPIを達成しているかどうかだけでなく、人をどれだけ効果的に育成し、パフォーマンスをコーチングし、変化のなかで導いているかを理解する必要がある。 - Amy Cappellanti-Wolf, Dayforce

8. 能力開発と測定

能力開発とその測定には、より注目が必要である。あまりにも多くの組織が、従業員が新しいスキルを仕事で自信を持って適用できるかどうかではなく、学習活動そのものを測定している。最も重要な人材指標は、人々がどれだけ迅速に新しい能力を身につけ、活用しているかである。それこそが、AI導入、パフォーマンス、有意義な事業成果を推進するからだ。 - Lauren Tropeano, Docebo

9. 人材の関連性

人材の関連性には、より注目する必要がある。自社がどこに立っているのか、どこを目指すのか、その道のりをどう可能にするのか、何が必要になるのかを把握することだ。事業が今日必要とするもの、見えている将来、合理的に予測できるものに備える。真の測定対象は、人材マトリクスが事業マトリクスをどれだけ支えているかである。単なる数字ではなく、準備度を測るべきだ。 - Ankita Singh, Relevance Lab

10. 組織目標の達成

私なら組織目標の達成に注目する。人々は、事業が重要だと定めた優先事項に対して実際に成果を出しているのか。人事は何年もの間、活動を報告してきた。経営幹部が必要としているのは、人材パフォーマンスと事業遂行の間にある、より明確な線である。そこから人事は、まったく異なる対話を始められる。 - Jamie Aitken, Betterworks

11. 意思決定の速度

意思決定の速度は、2026年に経営幹部がより注目すべき指標である。組織はしばしば成果を測定するが、意思決定が階層、機能、ガバナンスを通じてどれだけ速く進むかは測定していない。テクノロジーと市場がより速く動く環境では、遅い意思決定は目に見えないパフォーマンスコストになる。洞察から意思決定、実行までの時間を測定すべきだ。説明責任を伴うスピードは競争優位である。 - Sheena Minhas, ST Microelectronics

12. 行動変容

行動変容には、より注目する必要がある。ほとんどの組織には、自社の文化がどう機能すべきかというビジョンがある。しかし、そのビジョンが実際に根づいているかを測定している組織は少ない。人々に対し、異なるリーダーシップの発揮、異なる相互責任の持ち方、基準のより一貫した徹底を求めるなら、実際にそれを行っている人がどれだけいるのかを示す指標が必要だ。完了率では、それは分からない。 - James Glover, Flint Learning Solutions

13. 仕事における喜び

仕事における喜びは、経営幹部がより注目すべきものだ。定着率や勤続意向は、従業員が残るかどうかを示すが、職場をどのように経験しているかは示さない。リーダーはチームの「ハッピーメーター」を追跡すべきである。すなわち、人々が活力を感じ、価値を認められ、つながりを持ち、有意義な仕事ができているかどうかだ。喜びは、文化の健全性と持続的なパフォーマンスを示す早期シグナルである。 - Britton Bloch, Navy Federal

14. 時間活用

1つ選ぶとすれば、時間活用である。労働はほとんどの組織にとって最大の支出でありながら、従業員が勤務時間をどれだけ効果的に使っているかを測定している企業はごく少ない。単に労働時間を追跡するのではなく、リーダーは時間が価値を生む仕事に使われているのか、それとも不要なプロセス、手作業、非効率に費やされているのかを問うべきである。時間活用を改善することは、生産性と従業員満足の双方に利益をもたらす。 - Natalie Grabher, USA Hall of Frames, Inc.

15. 組織への信頼

組織への信頼には、より注目する必要がある。最近の研究では、雇用主を信頼する従業員は、職場で高いエンゲージメントを示す可能性が27倍高いことが分かった。そして、その信頼を最も強く予測するのは、報酬や勤続年数ではなく、不確実な時期に従業員が支えられていると感じているかどうかである。継続的な混乱によって特徴づけられる時代において、信頼は従業員のレジリエンス、エンゲージメント、ウェルビーイングの基盤となる。 - Christine Muldoon, WebMD Health Services

16. 従業員の自信

従業員の自信には、より注目する必要がある。紙の上での事業成長は、今後の道筋について人々がどう感じているかを必ずしも反映しない。調査は傾向を追跡するが、定期的なチェックインや開かれた対話も同じく重要である。それらを組み合わせることで、不確実性がどこにあるのか、チームが自分たちの将来に安心感を持っているかどうかが見えてくる。こうしたギャップを早期に捉えれば、リーダーは人々が力を発揮するために必要な明確さと支援を提供できる。 - Kathy George, Spherion Staffing and Recruiting

17. 1人あたり価値

従業員1人あたりコストではなく、1人あたり価値を測定すべきである。AIが仕事を変えるなか、従業員数だけでは経営幹部に伝えられることはますます少なくなっている。人材能力、テクノロジー、職務再設計が、1人あたりの売上、利益率、生産性、あるいはその他の関連成果をどう変えるかを追跡することだ。問うべきことはもはや「何人か」ではなく、「どのような価値か」である。 - Prithvi Singh Shergill, School of Experiences

18. 検証の鮮度

既存従業員全体における検証の鮮度に目を向けたい。規制産業では、資格やスクリーニング状況はすぐに古くなり得るが、ほとんどの組織は採用時にしか確認していない。AIで生成された履歴書や合成資格により、そのギャップは四半期ごとにリスクを増している。状況が時間の経過とともにどれだけ最新に保たれているかを追跡することで、オンボーディング後に静かに積み上がるリスクを封じることができる。 - Houman Akhavan, GCheck

19. 人材準備度

人材準備度は、2026年に経営幹部がより注目すべき指標である。現在および将来の戦略を実行するためのスキル、能力、意欲、リーダーシップキャパシティを備えているか。これは従業員数を超え、優先事項が変化するなかで、従業員が成果を出すだけの能力、意志、レジリエンスを持っているかどうかを問うものだ。人材準備度がなければ、どれほど優れた戦略も単なる計画にすぎない。 - Jennifer Rozon, McLean & Company

20. エントリーレベル人材

採用されているエントリーレベル人材に目を向けるべきである。何人か、どのような人材か、どこからか(地域)、どの役割に就くのか、という点だ。AIにより、企業はエントリーレベル採用を減らしている(卒業後6カ月たっても仕事を探している最近の大学卒業者の割合に反映されている)。これは、大学の入学者獲得戦略や入学者数、そして人事チームが新たな人材育成経路を再構想し、創出する必要性に広範な影響を及ぼす。 - Subha Barry, Seramount

(forbes.com 原文)

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