米国時間9月27日夜、ドナルド・トランプ大統領はAI大手アンソロピックのダリオ・アモデイCEOを夕食に招いた。トランプは以前、アモデイと同社を痛烈に批判していた。アンソロピックはAIの安全性に対する懸念を示しているほか、米国防総省から「サプライチェーンのリスク」に指定されたことを受けてトランプ政権との法廷闘争を繰り広げている。
トランプがアンソロピックCEOと夕食、会食前にはAI開発の減速を否定
27日、トランプは記者団に対してアモデイと夕食を共にすることを明かし、彼のことを「非常に尊敬されている」人物と表現した。
会食の具体的な議題については言及せず、その日の午後10時に予定されているとだけ述べた。なお、29日にはAI業界トップらとの会合も開かれる予定だ。
トランプは27日にも最先端のAI開発を減速させるという考えを改めて一蹴している。米国は中国より「おそらく1年半」進んでいるとし、「なぜその優位を手放さなければならないのか」と疑問を呈した。
先週24日には、OpenAIのサム・アルトマンCEOやエヌビディアのジェンスン・フアンCEOなど、主要AI企業のトップらが中国の習近平国家主席を招いたホワイトハウスの公式晩餐会に出席した。しかし、アモデイはこの招待リストには含まれていなかった(日程の都合で欠席し、その後トランプが個別に招いたとの報道もある)。
トランプは9月の投稿で、アンソロピックとアモデイを名指しで侮辱
最先端AI技術の開発ペースを調整し、「ガードレール(安全対策)」や政府による規制を求めるアンソロピックとアモデイの姿勢に対し、トランプは非難の言葉を浴びせていた。
トランプはトゥルース・ソーシャルへの投稿で、AIに必要なガードレールは「強くて賢い(高いIQ!)大統領だけであり、米国にはそれが十分に備わっている」と主張した。
さらに、「我々の政権は『完璧な小さな天使』のふりをするダリオのようなAI業界の『連中』が、悪いこと、あるいはそうなる恐れがあることを実行するのを阻止してきたし、これからもそうする。我々はすでに、こうした企業に対して絶大な刑事的および規制上の権限を持っている」とも書き込んでいた。
米控訴裁でアンソロピック敗訴、完全自律型兵器と国内監視で政権と衝突
連邦控訴裁判所は先週、国防総省がアンソロピッ クを「サプライチェーンのリスク」に指定した決定を不服とする同社の訴えを退ける裁定を下した。同社がブラックリスト入りしたのは、完全自律型兵器や国内の監視活動へのAI利用をめぐり、アンソロピックの経営陣とトランプ政権が衝突したことが原因だ。
今年2月の声明で、アモデイは自社として越えてはならない一線を提示し、安全策を撤廃してAIツールの「あらゆる合法的な利用」を認めるよう求める国防総省の要請には「良心に照らして同意できない」と述べていた。トランプはこの姿勢を猛烈に非難し、「我が国の偉大な軍隊がどのように戦い、戦争に勝利するかを、急進左派のウォーク企業が指示することなど絶対に許さない」と反発していた。
アモデイと妹の純資産、それぞれ推計約2.4兆円
フォーブスの推計によると、アモデイの資産額は155億ドル(約2兆4800億円)で、彼は世界で185番目の富豪に位置している。また、アンソロピックの共同創業者兼社長を務める妹のダニエラ・アモデイの推定資産額も同じく155億ドル(約2兆4800億円)だ。両氏はいずれも、フォーブスが先日発表した2026年版の『フォーブス400』に名を連ねている。



