パワーと省電力効率の両立がSnapdragonの強み
今年のSnapdragon Summitの最も大きな発表は、最新のモバイル向けSoCである「Snapdragon 8 Elite Gen 6」と、その上位の「Snapdragon 8 Elite Extreme Gen 6」だった。どちらの半導体チップも先端の2nmプロセスを採用している。
従来はひとつだった最上位の「8」シリーズを2つのラインに分けた理由について、発表会では「ゲーム用途や折りたたみ型(フォルダブル)といった製品形態など、プレミアムスマートフォン市場で求められる付加価値が一様ではなくなってきたため」と説明した。
スマートフォンメーカーにとっては幅広い高価格帯を狙う製品と、カメラ性能やゲーミング、大規模なAI処理に重点を置く製品とで、採用するプラットフォームを選び分けられるメリットがある。
アモン氏は基調講演の中で、データセンター向けに発表した「HBC(High Bandwidth Compute)」を、将来はSnapdragonを搭載するコンシューマ向けデバイスにも展開する構想を明らかにした。
HBCはAIの計算に必要な大量のデータを、その都度メモリから離れた演算回路へ運ぶ代わりに、メモリの近くでデータ量の多い演算処理を行う技術だ。データの移動を減らし、応答速度と電力効率を高めることを狙う。クアルコムはデータセンター向けのHBCについて、メモリと演算回路を組み合わせて、処理結果をSoCに渡す設計を公式のブログなどで公開している。
アモン氏は、将来のAI端末ではユーザーが操作していない間もエージェントが働き続けることから、オンデバイスで扱う情報量が増えると見込む。そのためスマートフォン向けには、Snapdragonと連携するコプロセッサーとしてHBCを開発し、AI処理とメモリを近づける考えを示した。
ただし、今回発表されたSnapdragon 8 Elite Gen 6シリーズに早くもHBCが搭載されたわけではない。具体的な製品構成や投入時期については、今後の発表を待つ必要がある。
アモン氏は基調講演の中で、グーグルをSnapdragonとモバイルの発展をともに支えてきた長年のパートナーとして挙げて、今後「AIスマホ」への移行によって協業がさらに深まると強調した。


