アジア

2026.09.28 08:00

データセンター建設ラッシュに沸く東南アジア、LNG需要が急増

タイの港に停泊する液化天然ガス(LNG)タンカー(Getty Images)

米国から東南アジアへ

イランの攻撃によってカタールのLNG施設が操業停止に追い込まれたことで、同国産LNGの供給が滞る中、世界最大のLNG輸出国である米国の影響力が増している。国際エネルギー機関(IEA)は、2024年時点では世界全体の5分の1程度を占めるに過ぎなかった米国産LNGは、2030年までに約3分の1を占めるようになると予測している。

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英ロイター通信によると、米国は1~7月にかけて7300万トン超のLNGを輸出した。これは前年同期比23%増となり、2026年は同国のLNG輸出量が過去最大となる見通しだ。この輸出量の増加分の多くは成長著しいアジア市場、特に東南アジア市場に向けられているとみられる。

米国の業界団体「センターフォーLNG」のチャーリー・リードル事務局長は次のように述べた。「東南アジアの買い手は、長期的に信頼できる供給源を求めている。米国産LNGは、契約の柔軟性や仕向地の自由度に加え、世界最大かつ最も流動性の高い天然ガス市場に支えられた供給基盤という強みを持っている」

東南アジアの輸入業者の特性やデータセンターの急増といった状況は、米国の輸出業者にとって魅力的な商機となっている。ウッド・マッケンジーの主席アナリスト、ファドルラ・オマラリは次のように説明した。「LNGの観点から見てデータセンターの需要が注目される理由は、取引相手の特性にある。これらは、経済サイクルにかかわらず電力需要が安定している、信用力の高い大規模な事業者だ。こうした特性は、東南アジアへの新規供給に関するリスク評価を変える要因となる。マレーシアとタイは転換点を迎えている。国内のガス生産量が頂点に達し、減少に転じる一方で、データセンターへの投資が急速に拡大している。新たな受け入れ施設が整備され、輸入業者の基盤も広がりつつある。余力のあるLNG供給業者にとって、今は重要なタイミングだ」

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現時点では、こうした事業者の多くは米国に拠点を置き、事業を急速に拡大している。しかし、東南アジア、ひいては世界全体で進むデータセンター建設需要の拡大に、これらのLNG供給業者は対応できるのだろうか? 米国のLNG業界とその顧客基盤には、新たな機会と増大する課題の双方が待ち受けているようだ。

米国が抱える課題

先述のリードル事務局長は、次のように指摘する。「米国のLNG輸出業者が需要に応えられるよう、業界は予測可能なスケジュールに沿って輸出能力の拡大を続ける必要がある。中期的な課題は、米国内の設備が業界の要求に追いつけるかどうかという点にあり、その鍵を握るのは同国の許認可制度の改革だ。改革が進まなければ、米国産LNGの拡大を阻む要因は資源や資本の不足ではなく、建設にかかる時間ということになる」

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翻訳・編集=安藤清香

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