アマゾンはMuseを拒否し、自社サイトへのアクセスを制限
アマゾンは逆の判断を下した。自社サイトでMuseが商品を閲覧し、購入することを遮断した。
アマゾンの広報担当者は、顧客に代わって購入する第三者アプリについて「自らの存在を明らかにし、参加するかどうかをサービス提供者が決める権利を尊重すべきだ」と述べた。アマゾンはメタに対し、Museでアマゾンを利用できないようにすることも求めた。
Museの閲覧は利用者の活動として表示され、アマゾンはAIの明示を求める
対立が起きる前に公開されたメタの安全性に関する文書には、Museが買い物をする仕組みが記されている。利用者が入力した認証情報は、Museから見えない安全な保管領域に保存され、必要なときだけブラウザーへ挿入される。
同じ文書では、Museによるインターネット閲覧が利用者本人の活動として表示されるとも説明している。これに対し、アマゾンの利用規約は、AIエージェントにすべてのウェブリクエストで自らの存在を明らかにするよう求めている。アマゾンは自らの裁量でアクセスを制限する権利も留保している。
アマゾンがAIエージェントのアクセスを制限する手段として、利用規約がどこまで機能するかは、Museを巡る対立以前にも争点になっていた。8月には、PerplexityのAIブラウザー「Comet」を巡る訴訟で、法令によるアクセス規制と利用規約によるアクセス制限を切り分ける判断が示されている。
Perplexity訴訟でも利用規約によるアクセス制限は残った
米連邦第9巡回区控訴裁判所は8月4日、PerplexityのAIブラウザー「Comet」を巡る訴訟で判断を示した。Cometには、利用者の指示を受けて買い物などを行うAIエージェント「Assistant」が組み込まれている。
争点の1つは、連邦法とカリフォルニア州法のコンピューター不正アクセス規制上、Perplexityがアマゾンのコンピューターへ「アクセス」したといえるかだった。裁判所は、アマゾンがPerplexityによる「アクセス」を立証できる可能性は低いと判断した。
ただし、利用規約を通じてAmazon.comへのアクセスを規制するアマゾンの権限は、この判断で損なわれないとも付言した。不正アクセス法によってAIエージェントを排除する道は狭まったが、利用規約を使ってアクセスを制限する余地は残った。


