世界のアルコール消費量が減少傾向にあることは周知の事実だ。秋恒例のビールの祭典・オクトーバーフェストにとって、これはどのような意味を持つのだろうか。
本場ドイツのオクトーバーフェストは9月19日、ミュンヘンで開幕した。米国でもこれに合わせて各地のバーがイベントを開催している。どうやら、消費者の飲酒量こそ減ってはいるものの、オクトーバーフェストの季節や理念を祝いたい気持ちは依然として強いようだ。
「オクトーバーフェストは、ただ酒を飲むだけのイベントではない」と米シアトルの酒類専門店ダウンタウン・スピリッツのコーポレートアカウントマネージャー、ジョーダン・アルバラドは語る。確かに、会場に集う人々の最大の目的はビールだが、現代のオクトーバーフェストには酒以外にも根付いた伝統がある。
1810年、オクトーバーフェストはバイエルン王国の皇太子ルートヴィヒ(後のバイエルン王ルートヴィヒ1世)とザクセン=ヒルトブルクハウゼン公国の公女テレーゼの結婚を祝う5日間の競馬祭として始まった。今年191回目を迎えた南ドイツの祝祭は、歳月を経て、より大きな存在へと進化している。それは、文化に根ざした社交の場だ。乾杯するのがノンアルコール飲料のグラスであろうと、黄金色に輝くラガービールをたたえた特大ジョッキであろうと関係ない。
ミュンヘンの5つ星老舗ホテル、フィア・ヤーレスツァイテン・ケンピンスキー・ミュンヘンで飲食部門の責任者を務めるバールト・アイセンスは、オクトーバーフェストが「世界中の人たちと仲良くお祝いをするのにうってつけの場」である点に注目を促す。1つのテーブルを10人前後で相席するのが伝統なため、これまで接する機会のなかった新しい文化に触れたり、地球の裏側から訪れた人と友達になったりできるのだ。
今日の若い世代も、オクトーバーフェストのこうした側面を高く評価しているとアイセンスは認識している。消費者は飲酒量を減らしたり、飲酒に対して慎重になったりしているかもしれないが、オクトーバーフェストへの参加には相変わらず積極的なのだ。



