ウクライナの防衛テックアクセラレーター「Brave1(ブレイブ・ワン)」によると、AI誘導によるFPVドローン攻撃の回数は今年初め以降10倍に増加している。これらは「ターゲット・ロック」方式とみられ、操縦士が目標をロックオン(捕捉・追尾開始)すると、任務飛行の最後の数百mをAIが自動で完遂する。そのため、この終末段階では電波妨害(ジャミング)も無効化される。ただ、これらのAI誘導攻撃には、ほかの方式によるものも含まれているのかもしれない。
BRAVE1 says AI-guided drone strikes have increased tenfold since the start of 2026. Together with Ukraine's Defense Ministry, it tested autonomous guidance modules on multirotor drones carrying at least 2 kg. Systems had to lock onto a target from more than 500 meters and strike… pic.twitter.com/DQeWwlJDNB
— NOELREPORTS 🇪🇺 🇺🇦 (@NOELreports) September 8, 2026
来たるべきスウォーム
リーダー・フォロワー方式は、ウクライナで実際に使われていても、現時点では小規模な実験段階にとどまっている可能性がある。リーダー・フォロワー方式は、操縦士1人がFPVドローンを1機ずつ操縦する運用方法から、操縦士1人がドローンのスウォーム(群れ)全体を制御する、より高度な運用方法への足掛かりになるものでもある。
スウォーム方式と比べて、リーダー・フォロワー方式は実装しやすく、それでいて同様の利点がいくつかある。まず、防御側からすれば、先導するドローンを撃墜できても、その後ろを追従してくるドローンの攻撃を受けるおそれがある。また、同じ箇所に複数回衝撃を加えるのは、ロシア軍の戦車などによく見られる追加装甲のケージやシェルを打ち破るのに最適な方法だ。一方で、先導ドローンが目標から2mそれて木にぶつかった場合、後続機はそれにも律儀に従い、同じ場所に突っ込んでしまうという欠点もある。
スウォームは実用化に向けて確実に進んでいる。一例を挙げれば、米欧に拠点を置くAuterion(オーテリオン)の「Nemyx(ネミクス)」のようなスウォームシステムは、すでに運用段階にある。ただ、同社はこれまでにドローン自律飛行キットをおよそ3万3000個ウクライナに供給しているものの、わたしたちの知る限り、スウォーム機能はまだ有効化されていない。同様に、ウクライナで開発された「Swarmer(スウォーマー)」システムも、大規模な展開には至っていないようだ。
リーダー・フォロワー方式のFPVドローンは、手回し式ガトリング銃のような存在になるかもしれない。手回し式ガトリング銃は発射速度を大幅に向上させたものの、数年後に登場したマクシム機関銃ほどの大きなゲームチェンジャーにはならなかった。
リーダー・フォロワー方式も、後続の技術によって急速に取って代わられる運命にあるのかもしれない。一方で、そのシンプルさと信頼性の高さによって、この方式が何年にもわたってニッチな役割を担い続ける可能性もあるだろう。小型の弾頭しか搭載できないFPVドローンの火力を強化したい人たちにとって、これは有用な手段のひとつになるかもしれない。


