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政治

2026.10.21 13:00

台湾の影響力は外交ではなく「TSMC」にある、ただし経済的不可欠性だけで台湾は救えない

Koshiro K/stock.adobe.com

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台湾は世界のテクノロジー・エコシステムにおいて特別な位置を占めており、政府の公式ルートだけでは得られない国際的影響力を持つ。その地位は資産であると同時に、脆弱性でもある。

台湾の正式な外交関係は依然として限られており、北京は台湾の非公式な国際活動を制限することにますます力を入れている。一方で、商業と経済におけるその関係は、国際交流のための比較的開かれた経路であり続けている。

つまり、台湾にとって最も強力な国際的影響力の源泉は、映画祭でも学生交流でもなく、TSMCだといえる。台湾積体電路製造(TSMC)は、世界の最先端ロジックチップの大半を製造している。これは、今日の主要なAIシステムを動かすプロセッサ(半導体チップ)だ。TSMCを通じて台湾は現在、AI、スマートフォン、自動車、先端防衛システムに不可欠なサプライチェーンの中心に位置している。

これによって台北は、台湾の政治的地位について見解が異なる国々に対しても、異例の資産を持っている。そうした国々は、台湾のテクノロジーへの依存を強めているからだ。ただし、この独特の役割は台湾にリスクももたらす。

台湾は、半導体における優位性を外交資産へと転換しつつある。9月初旬に開催された「SEMICON Taiwan」で、台北は不可欠なAIパートナーとしての役割を強調した。台湾企業は米国への追加投資を表明する一方で、欧州との関係強化も進めている。

つまり台湾は、TSMCというカードを切っている。だが、経済的不可欠性は外交的孤立を補えるだろうか。ある程度は補えるだろう。台湾の経済的強みは、正式な国際関係の欠如を部分的に相殺し得るが、根底にある脆弱性を取り除くことはできない。そこではいくつかの要因が指摘できる。

TSMCの影響力は台湾外交部を凌駕する

台湾外交部(外務省に相当、MOFA)は、世界各地に約3000人の人員を抱える。一方、TSMCの従業員数は9万人を超える。MOFAの予算は約13億ドル(約2060億円)であるのに対し、TSMCの年間売上高は約1210億ドル(約19兆2000億円)から1224億ドル(約19兆4000億円)だった。台湾に大使は多くないが顧客は多く、その顧客には世界で最も影響力のある企業や政府も含まれる。とはいえ、影響力や重要性がどれほど大きくても、民間企業が外交的関与を完全に代替することはできない。

経済は孤立を部分的に相殺する

最も明確な例は米国だ。ワシントンは台湾と正式な外交関係を結んでいないが、米台の経済・技術関係は深まっている。米国と台湾は2026年1月に大規模な貿易・投資協定を締結した。これには米国の半導体、エネルギー、AI能力に対するTSMCの投資が含まれており、その規模は現在650億ドル(約10兆3000億円)に達している。

TSMCは、台湾と米国のより広範な経済的関与の一部である。2015年から2025年にかけ、二国間の物品貿易は667億ドル(約10兆6000億円)から2561億ドル(約40兆7000億円)へとほぼ4倍に増え、台湾は米国にとって第9位の貿易相手から第5位へと上昇した。

この傾向は、米中貿易と比較するとさらに鮮明になる。米中貿易は2015年の5991億ドル(約95兆2000億円)から2025年には4146億ドル(約65兆9000億円)へと減少した。2015年当時、米中間の物品貿易は米台間の物品貿易の約9倍だったが、2025年までにその差はわずか1.6倍にまで縮小している。

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編集=鈴木喜生

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