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2026.09.26 09:00

ザッカーバーグの執念が結実した「100g」のXRグラス──Oculus買収から12年で

マーク・ザッカーバーグ(Andrej Sokolow/picture alliance via Getty Images)

執念は、100gのかけ心地に表れる

Meta VR Glassesの約100gという重量は、グラス部分のものだ。演算処理やバッテリー、ストレージは別体のパックに収め、光ファイバーケーブルで接続する。

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実際にかけると、顔に載せる部分を軽くした効果ははっきりわかる。周囲の様子を映すパススルーも自然で、机や手元を確認しながらアプリを使っても戸惑いが少ない。基本操作は視線とハンドジェスチャーで済み、コントローラーを取り出す必要もない。

よくできていると感じたのがノーズピースだ。S、M、Lから選べるだけでなく、角度も調整できる。目とレンズの距離などを合わせ、軽いグラスを適切な位置で使えるようにする。こうした細部が、技術を実際の快適さにつなげている。

約2.5インチのマイクロOLEDパネルは両眼合計5K、ピーク輝度は500nits。正式発表時のFOVは水平70度×垂直66度で、事前説明では対角84インチ相当の視聴体験が得られる。Apple Vision Proほどの解像感ではないが、OLEDの見え味はよい。その体験をずっとカジュアルに扱えることに、私は大きな意味を感じた。

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約100gのMeta VR Glasses。特にノーズピースがよくできている
約100gのMeta VR Glasses。特にノーズピースがよくできている

しかも、MetaによればQuestのアプリラインナップ全体を引き継ぐ。従来のゲームなどで必要なら、互換性のあるMeta Quest Touch Plusコントローラーを接続できる。小型化した新製品を出すために、長く築いてきたソフトウェア資産を捨てずに済む。

私なら、出先でPCにつないで使いたい。デモでは目の前に3画面を並べ、資料を見ながらAIに指示し、ウェブサイトを変更した。自宅以外でも作業領域を広く使え、PC側の画面を黒くすれば、周囲からののぞき見も避けやすい。映画を見るなら、オプションのライトシェードを加えて楽しみたい。

発売は2027年春、米国価格は1299.99ドル(約20万6000円)。日本価格は未定だが、仮に20万円前後なら、仕事と映像の両方に使う機器として十分に魅力的だ。

さらに、Meta AIにワークスペースの再配置や映画の再生を依頼する機能も発表された。ザッカーバーグが追い続けた、身につけて使うコンピューターは、AIとの対話にも使える。こうした用途の開拓に、AIグラスの開発経験が役立ったことは想像に難くない。

もちろん、この1台で過去の巨額投資が報われたと結論づけるのは早い。しかし、投資によって何を生み出そうとしていたかは、以前よりずっと分かりやすくなった。

資金力のあるテック企業はほかにもある。しかし、ここまでの投資を継続できた企業は他になかったに違いない。Meta VR Glassesを体験すると、企業の長期戦略という言葉だけでは説明しきれない、一人の創業者の執念を感じる。

あのゴーグルから12年、ここまで来た。その時間の長さが、100gの軽快さの中にある。

編集=安井克至

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