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2026.09.26 09:00

ザッカーバーグの執念が結実した「100g」のXRグラス──Oculus買収から12年で

マーク・ザッカーバーグ(Andrej Sokolow/picture alliance via Getty Images)

巨額の負担を、誰が引き受け続けるのか

その時間を買うために投じた資金は、桁違いだった。

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Metaの2025年決算によると、VRやウェアラブルなどを担うReality Labsの売上高は22億700万ドル(約3500億円)、営業損失は191億9300万ドル(約3兆400億円)だった。2024年の営業損失も177億2900万ドル(約2兆8100億円)に上る。

営業損失は投資額そのものではないし、すべてが今回のグラスの開発費でもない。それでも、事業が生む収入をはるかに上回る費用を、年単位で負担し続けていることは分かる。

同じ2025年、FacebookやInstagramなどのFamily of Apps部門は1024億6900万ドル(約16兆2000億円)の営業利益を上げた。この収益力が、長い開発を支えている。だが、資金があることと、それを回収時期が見通せない事業に使い続けられることは別だ。

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Metaがこの事業を継続できたのは、彼が議決権の過半数を支配し、重要な意思決定をコントロールできる状況であるからに他ならない。創業者としての構想に加え、それを長期にわたって実行できる権限を持っているからこそ挑戦できるジャンルだ。

短期の業績で評価されることのないザッカーバーグだからこそ、自分の信じるビジョンを手放さずに済む。彼はそれを空間コンピューティングに投資し続けたのだ。

もちろん、ザッカーバーグがひとりで生み出したビジョンだとは言わない。Oculusを立ち上げた人々、長く開発を続けてきた技術者、アプリをつくる開発者、部品や製造を支える企業がいる。ザッカーバーグが担ったのは、その仕事に必要な時間と資金を確保し続けることだった。

Meta VR Glassesが、実際に市場で受け入れられるものになるかどうかはわからない。しかし、その執念とも言える投資が結実した結果であると実感させる製品ではある。

Meta VR Glassesの使用イメージ(Meta)
Meta VR Glassesの使用イメージ(Meta)

AIグラスを商品ジャンルとして確立させたMeta

もう1つ見逃せないのが、AIグラスの事業だ。Metaはエシロールルックスオティカとの協業を通じ、メガネとして選んで身につける製品を増やしてきた。

同社の決算によれば、Metaと共同で展開するAIグラスの2025年販売数は700万本を超えた。今回のConnectに合わせた発表では、2026年末までに100種類を超えるスタイルを提供するという。これは100種類の異なる機器という意味ではない。それだけ多くの人の好みに合わせて選べる商品群になった、ということだ。

ARやスマートグラスの試みはMeta以前にもあった。だが、AIグラスを普通の消費者が購入するカテゴリーへと育てた功績は大きい。高度な技術を小さく収めるだけでなく、かけ心地、デザイン、ブランド、販売の仕組みまで整えなければ、この市場は生まれない。

初期のVRへの投資が現在のスマートグラス事業につながったとも言えるが、このAIグラスの取り組みは今回のVR Glassesの開発にもつながっている。

もちろん、ジャンルとしてAIグラスと同じ仕組みの製品と考えるべきではない。外の景色をカメラで捉えて再現するMRには、さらに複雑な処理が必要だ。それでも、顔に載せるコンピューターを人が使いたい形にする、というテーマは共通している。

VRで磨いた表示やトラッキング、Questで育てたアプリ、グラスを日用品として売る経験。それぞれを続けてきた企業だからこそ、Meta VR Glassesを実用的な道具としてまとめられたのだ。

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編集=安井克至

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