私の長男は、私の会社が資金調達を受けたのと同じ年に生まれた。この1年、私は彼が大学出願プロセスを経る様子を見守り、いま彼は私の母校の1年生となっている。
家族として入学選考を経験したことで、今日、人々が高等教育を受ける決断をどのように下しているのかについて、新たな視点を得た。同時に、従来の学部課程への入学までの道のりと、働く社会人がたどる道のりがいかに異なるかを改めて実感した。
この違いは重要である。高等教育機関はしばしば、大学院課程の学生募集マーケティングを学部入学選考の延長として扱うからだ。各機関は、翌年の新入生クラスを形成することを前提に作られた学生募集の戦略を、年齢層の高い対象者向けに転用している。
しかし、働く社会人は根本的に異なる意思決定をしている。教育機関は、それに応じた対応をする必要がある。
学部進学には、あらかじめ道筋が用意されている
多くの高校最終学年の生徒にとって、大学への出願は社会的に組み込まれた経験の一部である。友人たちはSATを受け、キャンパスを見学し、願書を提出する。親、教師、カウンセラーは締め切りを知らせる。高校3年次から始まる一定の流れがある。大学探し、出願、学費支援、進学先の決定日、オリエンテーションである。その過程には、同じプロセスをともに進む人々がいて、勢いを生み出し、次に何が起きるのかを理解する助けになる。
一方、働く社会人にとって、学び直しの決断は孤独で戸惑いを伴う経験になり得る。チェックリストを提示してくれる進路指導カウンセラーはおらず、誰もが共有する明確なスケジュールもなく、同じ予定で動く仲間もほとんどいない。むしろ、社会人の進学希望者は、仕事、配偶者、子ども、高齢の親、住宅ローン、その他の負担など、時間とリソースを大きく必要とする責任の合間を縫って、その決断を下している。
社会人学習者には、学生募集アドバイザーとの協働によって満たされる別のニーズがある。教育機関のマーケティングやウェブサイトの文言は、しばしばキャンパス訪問の代わりを果たす。社会人学習者にとって、こうした接点は学生としての道のりの中核をなす要素である。
社会人学習者が評価するのは「投資」
従来の学部生募集は、アイデンティティと帰属意識を中心に展開される。「自分がここにいる姿を想像できるか」「キャンパスが気に入るか」「ここにいる人たちは自分に合うか」といった問いである。こうした問いが社会人学習者にとって消えるわけではないが、多くの場合、より実務的な基準に影を潜める。「このプログラムはキャリアアップや新たな職種への転換に役立つのか」「いま抱えている責任の中で、授業をどのように組み込めるのか」といった基準である。
社会人学習者はより洗練された比較検討者であり、多くの場合、プログラムとキャリアの整合性、価格、柔軟性、ブランドの評判、利便性といった総合的な価値提案に基づいて教育機関を評価する。
マーケティングはこの現実を反映し、社会人の進学希望者が、プログラムと自分が実現しようとしている将来とのつながりを理解できるよう支援する必要がある。知名度の高い学位の下に専門性の高い専攻分野を設けることは、関連性を示し、学生の具体的なキャリア目標に訴える方法の1つである。学生は、自分のキャリアを前進させ、目指す昇進につながるMBAを探している。サプライチェーンマネジメントやデータサイエンスの専攻は、そうした学生が教育を目標に結びつける助けになる。
顧客体験こそがマーケティングだ
社会人学習者の募集は、マーケティングと学生募集業務を分けて考える従来の発想の弱点も浮き彫りにする。
社会人学習者にとって、顧客体験とは、すべての接点を通じて積み上がる全体の雰囲気だ。「この大学は自分を歓迎してくれているだろうか」「手続きはスムーズだろうか」「テクノロジーは現代的だと感じられるだろうか」「ストレスなくプラットフォームを操作できるだろうか」といった点である。
進学希望者がSNSの広告に反応した後に何が起きるかを考えてみてほしい。返答の早さや、プログラムの実際の費用に関する透明性は極めて重要であり、単位移行や学費支援に関する明確さも同様に重要である。
一つひとつのやり取りが、学生がそのプログラムをどう見るかを形づくる。対応が不十分なやり取りは、そのプログラムを検討対象から完全に外してしまうこともある。そして、わかりにくい出願手続きであれ、遅い返答であれ、道のりのどこかに摩擦があれば、マーケティングチームが懸命に築いた期待を損ないかねない。学生募集アドバイスは、社会人学生にとっての試金石である。学生は、アドバイザーの対応力を、その学校の学生になったときの体験を先取りするものとして評価している。折り返しの電話を受けるまでに4日かかるなら、自分の時間は重視されていないというメッセージになる。
社会人学習者に対して、大学は「周囲の支え」の代わりを務める必要がある
高校最終学年の生徒には勢いを生み出す専用のエコシステムがある一方、社会人学習者にはそうした基盤がないことが多い。これは、学部生募集と社会人学習者募集の最大の違いかもしれない。教育機関は、そのエネルギーと切迫感を補わなければならない。大学院課程の学生募集、そしてオンラインプログラムではさらに重要なこととして、集団的なプロセスには構造とガイダンスが必要である。質問を先回りし、費用と成果を明確にし、不要な摩擦を取り除き、仕事や家庭の事情が必ず割り込んでくる中でも見込み学生が勢いを保てるよう支援することが欠かせない。
社会人学習者の募集は、単なるマーケティング上の課題ではない。マーケティング、入学選考、テクノロジー、学生支援が一体となって意思決定を形づくる。
オンラインで社会人学習者の入学者を増やしたい教育機関は、学習者が自信を持つために必要なものに向き合い、成功を支援しなければならない。そのためには、構造とガイダンスを提供するよう設計された社会人学習者向けの募集チームが必要であり、あらゆる段階で投資対効果を示すことも求められる。優れたマーケティング戦略には、プログラムで教える教員によるコンテンツや、キャリアを伸ばした卒業生の証言に加え、教育機関の手続きを進めるための配慮あるリマインダーや助言が組み込まれる。
社会人学生が、従来型の学部生と同じ明確な道筋をたどることはまれである。目標は、その道のりを同じくらい明確にすることだ。



