紛争の絶えない中東から遠く離れた地で天然ガスの確保を急ぐ日本は、オーストラリアとの関係を深めている。
大阪ガスは18日、西オーストラリア州沖で開発中の「ブラウズ液化天然ガス(LNG)プロジェクト」の権益5%を取得した。投資額は2億ドル(約320億円)とみられており、3カ月前に韓国のGSエナジーが同程度の割合の権益を取得したのに続き、アジア諸国による同プロジェクトへの2件目の出資となる。
両案件の売主はいずれも英ロンドンに拠点を置く石油大手BPだ。同社は政府の最終承認が下りていない状況下で、総額200億ドル(約3兆1700億円)規模とされる同LNGプロジェクトへの関与が過大であるとの懸念を強めていた。
GSと大阪ガスへの権益売却に至るまで、BPはブラウズ・ガス田開発コンソーシアムの権益を44%保有していた。同コンソーシアムを主導するのは、BPと長年にわたり提携関係にあるオーストラリアのエネルギー最大手ウッドサイド・エナジーだ。BPのメグ・オニール最高経営責任者(CEO)はかつて、ウッドサイドのCEOを務めていた。同社は40年以上前、広大なブラウズ鉱床から最初のガス田を発見した企業だ。
これらのガス田が長らく未開発のままだった主な理由は、極めて隔絶された立地だったことに加え、近隣のサンゴ礁や海洋生物への環境的影響への懸念、さらには陸上ガス処理施設の建設予定地に対する反対運動といった問題が重なったためだ。
ウッドサイドの現在の提案は、ブラウズ産の天然ガスを海底パイプラインで約970キロ南へ輸送し、オーストラリア西部カラサ近郊にある同社の既存プロジェクト「ノースウエスト・シェルフLNG」で処理するというものだ。
高まる日本企業の関心
日本の大手企業である三井物産と三菱商事はブラウズとノースウエスト・シェルフの長期的な出資者だ。また、中国国営石油大手の中国石油天然ガス(ペトロチャイナ)が保有権益の売却の意向を示した際には、日本の石油・ガス開発大手INPEXが10.67%の権益取得を試みた。だが、ブラウズ・コンソーシアムの既存メンバーであるウッドサイドが優先購入権を行使したため、INPEXはペトロチャイナの持分を取得できなかった。ウッドサイドが先買権を行使した主な理由は、INPEXがブラウズ産の天然ガスをオーストラリア北部ダーウィン近郊で自社が運営するLNG処理施設にパイプラインで輸送するのではないかと懸念したためだ。同施設はウッドサイドのLNG処理施設と競合している。
日本企業は1980年代以降、オーストラリア産LNGの主要な買い手であると同時に、投資家としても参画してきた。イラン情勢の悪化に伴い、ペルシャ湾経由の天然ガスの輸送が混乱に陥ったことを受け、オーストラリア産LNGに対する日本の関心は一段と高まっている。
ブラウズ・プロジェクトの計画策定の大部分は完了しており、西オーストラリア州政府からも承認を得ているが、オーストラリア政府による環境面での承認はまだ下りていない。



