アジア

2026.09.24 08:00

「のけ者」同士の架け橋 ロシアと北朝鮮を結ぶ初の道路橋が完成、強まる両国の絆

北朝鮮の首都平壌で会談する同国の金正恩朝鮮労働党総書記(右)とロシアのウラジーミル・プーチン大統領。2024年6月18日撮影(Kremlin Press Office/Anadolu via Getty Images)

この取引には直接的な軍事用途もある。陸路での輸送により、北朝鮮はロシアへ安価な労働力を供給することが可能になる。ロシアは徴兵により労働力不足に陥っており、北朝鮮からの労働力の供給は追跡が困難かつ目立たない形での、相互利益を伴う安定した軍事交流となっている。トラックや自動車による軍事装備の輸送は、列車や船舶に比べて衛星画像での特定がはるかに難しく、日常的な民間車両の往来に紛れ込ませることで隠蔽(いんぺい)することができる。

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ロシアと北朝鮮の「影の取引」

ロシアの店頭には、北朝鮮産のリンゴやビールが並ぶようになった。さらに重要なのは、北朝鮮が長年用いてきた、制裁を逃れて石油を取引するための「影の船団」戦術を、ロシアが大規模に採用していることだ。英政府の推計によると、現在700隻以上の船団が、制裁対象となっているロシア産石油輸出の約4分の3を輸送している。英軍の特殊部隊は6月、英仏海峡で影の船団の1隻に立ち入り検査を行った。フィンランド警察は2024年12月、バルト海の海底ケーブル破壊工作に関与した疑いがあるとして、石油タンカー「イーグルS」を捜査した。韓国の情報当局によると、2025年に北朝鮮が支援国である中国とロシアから輸入した精製石油は、国連安全保障理事会の制裁で定められた年間50万バレルの上限を7倍以上も上回った。こうした影の取引により、ロシアは西側市場から締め出された燃料を北朝鮮に売却していたのだ。

こうした一連の動向は、いずれもロシアの強さを示すものではない。むしろ、ロシアが追い詰められている証拠を明確に示していると言えるだろう。秋の動員拡大に関する根強いうわさに加え、北朝鮮の兵士や弾薬への依存は、戦争によってロシア経済が逼迫(ひっぱく)している実情を物語っている。ロシアは国際秩序との対立から身を引くどころか、むしろ北朝鮮と手を固く結び、姿勢を硬化させているようだ。ロシアは自国ではもはや十分に確保できなくなった安価な労働力や兵士、砲弾と引き換えに、北朝鮮に原材料や軍事技術を提供している。ノビチェンコ橋が一夜にして両国の経済を一変させることはないだろうが、プーチン政権が現在の路線を貫き通せば、この橋は、建設のきっかけとなったウクライナ侵攻が終結した後も長く続くであろう、ロシアと北朝鮮の陰鬱(いんうつ)な関係の象徴となるだろう。

forbes.com 原文

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翻訳・編集=安藤清香

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