アジア

2026.09.24 08:00

「のけ者」同士の架け橋 ロシアと北朝鮮を結ぶ初の道路橋が完成、強まる両国の絆

北朝鮮の首都平壌で会談する同国の金正恩朝鮮労働党総書記(右)とロシアのウラジーミル・プーチン大統領。2024年6月18日撮影(Kremlin Press Office/Anadolu via Getty Images)

ソ連は1990年に韓国との国交を樹立するまで、北朝鮮に武器を供給し、財政支援をしていた。ソ連が支援を打ち切ったことで、北朝鮮は中国にほぼ全面的に依存するようになった。だが、ロシアが2022年にウクライナへの侵攻を開始したことで、北朝鮮は支援国を多角化する機会を得ただけでなく、経済を活性化することができた。ソ連規格の弾薬が不足するロシアと、膨大な兵器備蓄と肥大化した防衛産業を抱える北朝鮮は、まさに理想的な組み合わせだった。北朝鮮の金総書記とロシアのウラジーミル・プーチン大統領は2023年、親密な首脳会談を行い、翌年6月には相互防衛条約が結ばれ、両国の新たな関係の枠組みが確立された。それは、ロシアが資金、エネルギー資源、技術を提供し、その見返りとして北朝鮮から労働力と武器を得るというものだ。

advertisement

韓国の国防情報当局の推計によると、北朝鮮は2024年10月以降、1万6000人以上の兵士をロシアに派遣した(その多くは死傷した)ほか、152ミリ砲弾を1500万発以上供給している。北朝鮮は軍需工場を再稼働させ、特殊部隊員だけでなく、技術者や無人機(ドローン)操縦士もロシアに派遣している。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ロシアが近いうちにさらに3万〜5万人の北朝鮮軍兵士を投入する可能性があると主張しているが、韓国の軍当局は差し迫った展開の兆候は確認されていないとしている。

北朝鮮にとっては、ウクライナ侵攻から帰還する兵士が実戦経験を積んだ精鋭となるという利点がある。兵士を派遣した見返りは数字にも如実に表れている。韓国銀行(中央銀行)の統計によると、北朝鮮の経済成長率は3年連続で3%を上回り、2024年には3.7%に達した。首都平壌の街中をBMWやアウディをはじめとする外国製の高級車が走り、24社に上る国内携帯電話会社が市場シェアを争うなど、その変化は目に見える形で現れている。他方で、高齢者や病人、農村部の貧困層は依然として食料不足にあえいでいる。こうした新たな繁栄は、金総書記が権力を維持するために頼みとする国内の上層部に集中しているが、わずか3年前の状況から様変わりしている。北朝鮮は当時、新型コロナウイルス対策の都市封鎖(ロックダウン)から抜け出した直後で、中国からも孤立し、経済は停滞していた。ロシアとの取引が、その孤立状態を打破したのだ。ウクライナ侵攻から利益を得て繁栄しているのは、平壌だけではない。

advertisement
次ページ > ロシアと北朝鮮の「影の取引」

翻訳・編集=安藤清香

タグ:

連載

Updates:ウクライナ情勢

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事