リーダーシップ

2026.09.23 21:12

AIはリーダーシップを代替しない──だが再定義する

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人工知能(AI)に関してリーダーが犯し得る最も重大な過ちは、それが主にテクノロジーの課題であると思い込むことかもしれない。難しい問いは、どのツールを購入するか、どの業務を自動化するか、従業員をどれほど迅速に訓練できるかにとどまらない。情報、分析、的確な回答がほぼ瞬時に得られるようになったとき、人間は何を貢献するのかという問いに関わるものだ。

カリ・L・ツェラー(Kari L. Zeller)は、そうした問いが組織にリーダーシップそのものの再考を迫っていると考えている。彼女は著書Re-Placed: Answering the Call of Leadership in the Age of AIで、この課題を掘り下げている。その中心的な主張は、警鐘であると同時に楽観的でもある。AIは組織が生み出すものを拡張できるが、何を生み出す価値があるのか、そしてその仕事がどのような未来に資するべきかを決められるのは人間だけだ、というものだ。

この区別は、組織変革に対する従来型アプローチの弱点を浮き彫りにする。従来のチェンジマネジメントは、変革を調整の問題として扱いがちだ。計画を伝え、研修を提供し、従業員に何が期待されているかを説明する。十分な情報があれば人は行動する、という前提である。

ツェラーはその前提を退ける。「人は情報や指示に基づいて行動するのではない」と彼女は説明する。「評判、人間関係、見通し、価値、帰属意識といった自己を守り、あるいは前進させる最良の機会を与えてくれると信じる未来から行動するのだ」

従業員は、新しいプロセスを評価しているだけではない。変化が自分のアイデンティティ、人間関係、将来性に何を意味するのかを解釈している。企業の合併は業務上完了していても、従業員の心理的な忠誠心は、合併前の組織に残ったままということもある。

AIは同じ問題をはるかに大きな規模で提起する。リーダーはAI導入を生産性向上の取り組みと見なすかもしれないが、従業員は自らの存在意義を問う国民投票のように受け止める。その不安は、もう一度ソフトウェアのデモを行っても解消できない。人間の価値がどこから生まれるのかについて、率直に対話することが必要だ。

多くの専門職は、いまやAIがより速く実行できる業務を中心に自らのアイデンティティを築いてきた。アナリストはデータを集め、トレンドを要約し、プレゼン資料を作成する。ナレッジワーカーは文書を下書きし、情報を整理する。ツェラーは、そうした活動を価値そのものと混同しないよう警告する。

「その仕事は価値を可能にするが、価値そのものではない」と彼女は述べた。「人は、価値を生み出さないことに貴重な時間を費やすことがある。それはAI以前からそうだった」

単に情報を収集して提示するだけのアナリストの立場は、ますます危うくなっている。一方で、情報が何を意味するのかを解釈し、前提を問い、問題となっている意思決定を理解し、経営幹部が賢明に選択するのを助けられるアナリストは、より価値を高める。

したがってリーダーの責任は、AIが従業員を置き換えるのではなく支援すると安心させることだけではない。組織は、機械が適切な処理を行い、人間が判断、文脈の理解、そして責任を担うように、仕事を再設計しなければならない。

その転換は、進歩の定義をより良いものにすることも求める。AIはチームがより多くの報告書、プレゼン資料、要約、顧客対応を生み出すのを助けることができる。しかし、アウトプットが増えたからといって、必ずしもパフォーマンスが向上するわけではない。

「生産性は、どれだけ多くの活動を生み出せるかを測るものだ」とツェラーは指摘した。「価値は、その活動が生み出すに値したかどうかを測るものだ」

リーダーは量と速度を超えて、成果の質、意思決定の質、顧客満足、人材定着、リスク低減、信頼に目を向けなければならない。また、ツェラーが「人間の知性の健全性」と呼ぶものも監視すべきだ。

「人々は考える力を高めているのか、それとも生産する速度を上げているだけなのか」と彼女は問いかけた。「AIが私たちをより生産的にしながら、より無能にするのだとしたら、それは進歩ではない」

より深い判断力を育てないまま定型的な思考を自動化すれば、依存を生む可能性がある。ツェラーはその危険を「認知の外部委託」と呼び、リーダーは組織の「思考の主権」を守らなければならないと主張する。

AIは、情報の希少性を急速に低下させている。ツェラーの表現を借りれば、筋の通った答えは「一夜にして豊富になった」。ほぼすべての組織が同様の情報と分析能力にアクセスできるようになると、優位性は答えを得ることから、その答えが取り組むべき問いをどう設定するかへと移る。

問いは、情報を求める中立的な要請ではない。それは、人々が解決策を模索する領域を決定づけるものである。「AIをどう活用すればコストを削減できるか」という問いは、効率性や労働力の代替へと人々の注意を向けさせる。一方、「人間の知性が価値の低い仕事にどこで縛り付けられているのか、そしてAIがそれを解放してより良い成果を生み出すにはどうすればよいか」と問うことは、まったく異なる可能性の領域を切り開く。

最初の問いについて、ツェラーは「ひとつの世界が開く」と述べた。2つ目では「別の世界が開く」という。

好奇心が重要なのは、リーダーが自分で思っているほど客観的に現実を認識しているわけではないからだ。先入観は、何に気づき、何を退け、何を可能だと考えるかに影響する。「人は文字どおり、目の前にあるものを見ていない」とツェラーは言う。「見えるのは、自分が見ると予期しているものなのだ」

好奇心はそのパターンを断ち切る。リーダーが微妙な差異を察知し、意外なつながりを認識し、事実だと思い込んできた制約を再考する助けとなる。恐れは知覚を狭め、学習を妨げる。好奇心は、リーダーが想像できる可能性を広げる。「それは『感じが良い』という話ではない」とツェラーは言う。「生物学なのだ」

想像力は、その拡張された知覚をさらに先へと運ぶ。AIはデータ、言語、パターン、確率といった既存の素材を組み替えることができる。しかしリーダーシップには、まだ測定されておらず、可視化もされていない価値の形を思い描くことが必要だ。情報が遍在するようになるほど、それを保有していること自体は差別化要因ではなくなる。既存のカテゴリーを超えた未来を想像する能力の価値が高まる。

だからこそツェラーは、組織に対し、単なるAI戦略ではなく知性の戦略をつくるよう促している。本質的な問いは、企業がどれだけ多くの人工知能を導入できるかではない。人間の知性と人工知能が、共有された成果に対してそれぞれどのように異なる貢献をすべきかである。

時代遅れになった組織の文脈を示す警告サインは、日常的な言葉に表れることが多い。「私たちにはできない」「ここではうまくいかない」「制約の中でやるしかない」「もっと実行力を高めればいいだけだ」。有能な人々がこうした表現を繰り返し使うとき、あるいは成果を維持するために絶えず努力を増やす必要があるとき、問題は実行にあるのではないかもしれない。組織は、自らの目的に対する時代遅れの理解に基づいて動いている可能性がある。

リーダーは、管理、適応、再創造を区別しなければならない。管理は既存のゲームの中でパフォーマンスを高める。適応は変化する環境に合わせて組織を調整する。再創造はゲームそのものを変える。

「現在の現実は改善できても、もはや自分たちがコミットしている未来を生み出せなくなったとき、適応では不十分になる」とツェラーは説明した。

再創造は、文脈を変えることから始まる。例えば、マネジドケア(管理医療)組織が自らを「州の政策の管理者」と定義しているとする。その枠組みの中では、対応はコンプライアンス、コスト管理、効率性を中心に展開する。しかし、その目的を「新しいケアエコノミクスの設計者」と再定義すれば、医療提供者へのインセンティブ、地域社会とのパートナーシップ、市場主導型のケアモデルといった、まったく異なる可能性が生み出される。

リーダーは未来にただ反応しているのではない。自分たちが強化する期待や前提を通じて、すでに未来の創造に加担している。

従業員が、組織再編によって自律性を失うと信じると、その予想される喪失と整合する行動を取り始める。縄張りを守り、信頼を差し控え、意思決定を防衛的に解釈する。彼らが思い描く未来は、現在における能動的な力となる。

有効なリーダーは、そうした未来に耳を傾ける。それを抵抗として退けるのではなく、従業員が何が起きると信じているのか、その信念が何を生み出しているのか、その下にどのような懸念があるのかを見極める。そして、人々が野心、貢献、アイデンティティを見いだせる未来をともにつくる。

「すべては会話を通じて行われるものであり、モチベーションを喚起するようなものではない」とツェラーは述べた。

ツェラーは、オーサーシップ(著者性)を、未来を創造し、それを実現する責任を引き受ける人間の能力として説明する。テクノロジーは貢献できるが、結果を気にかけたり、その責任を引き受けたりすることはできない。

AI時代のリーダーシップは、経営幹部が答えを生み出すことにおいて機械とどれほど成功裏に競えるかによって定義されるのではない。機械が代わりに担うことのできない資質、すなわち配慮、判断、想像力、責任を行使しようとする意思によって定義される。

より優れたテクノロジーは、組織の選択肢を広げることができる。より優れたリーダーシップは、そのうちどの選択肢が現実になるに値するかを決める。ツェラーの言葉を借りれば、「より良い問いは、より良い現実をつくる」のだ。

forbes.com 原文

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