難題解決のカギは木星と土星
ハレー彗星は太陽の周りを惑星とは逆方向に公転しており、軌道傾斜角は約162度だ。そのため、どの探査機も進路を大幅に変更する必要があり、ランデブーを行うのが極めて困難な天体となっている。
今回公開された構想によると、電気推進を利用すれば、探査機を地球から木星まで運ぶことができる。その後、木星の重力を利用したスイングバイで探査機を加速させ、土星へと送り出す。土星で再びスイングバイを行うことで探査機は逆行軌道に乗り、ハレー彗星との合流が可能になるという。
2036年打ち上げなら2060年にハレー彗星に到達
研究チームは、特に有望な打ち上げの機会を2つ特定した。いずれも少なくとも23年間の宇宙の旅を要するものだ。
・2036年8月21日
地球を出発した探査機は、2038年2月4日に木星でスイングバイを行い、2039年12月21日に土星に接近する。土星でのフライバイ後、20年余を費やして2060年8月14日にハレー彗星とランデブーする。ハレー彗星の近日点通過は2061年7月28日と予測されており、これよりかなり早いタイミングでのランデブー開始となる。
・2037年9月24日
探査機は2060年9月23日にハレー彗星とランデブーする。
ミッション計画に早急に着手せよ
「ミッション計画はできるだけ早く開始することが不可欠だ」と論文は述べている。最適な打ち上げ機会は2036年と2037年に訪れるため、この構想を具現化するための時間はたった10年程度しか残されていない。
研究チームによれば、これは現在わかっている実証済みの技術のみに基づいてハレー彗星とのランデブーを実現する初の実用的な構想だという。その成果は、これまで達成されたことのないものとなろう。ただハレー彗星を素通りするのではなく、彗星と合流し、太陽の近くまで戻る間、軌道を並走することになるのだ。


