AEPは765kVの超々高圧送電網を強みに、増える電力需要を取り込む
アメリカン・エレクトリック・パワー(AEP)の主要指標は次の通り。
株価:123.47ドル
直近12カ月売上高:229億ドル(約3兆6182億円)
直近12カ月1株利益(EPS):5.77ドル
株価収益率(PER):21.6倍
配当利回り:3.1%
ベータ値:0.50
AEPは発電と送電を手掛け、米国11州の560万顧客へ電力を供給する。テキサス州とオハイオ州では、データセンター事業者から、新たな電力供給容量を利用する契約上の確約を得ている。
AEPが有力候補である理由
AEPは765キロボルト(kV)の超々高圧送電設備で圧倒的な地位を持つ。765kV設備は、一般的な345kV設備より多くの電力を効率良く送れる。電力需要が増えるほど、765kVによる大容量送電の重要性は高まる。AEPは765kV送電の専門知識を生かし、大規模な共同事業を通じて送電網を拡張している。共同事業にはデータセンター関連の計画も含まれる。
AEPもネクステラ・エナジーと同じく、データセンターに対する反発の影響を受ける。データセンターへの反発があってもAEPの競争上の地位は強く、3.1%の配当利回りと16年連続の増配実績も投資材料となる。
コンステレーション・ブランズはシェアを伸ばし、ビール需要回復時の成長余地を持つ
コンステレーション・ブランズ(STZ)の主要指標は次の通り。
株価:123.81ドル
直近12カ月売上高:91億ドル(約1兆4378億円)
直近12カ月1株利益(EPS):10.48ドル
株価収益率(PER):11.6倍
配当利回り:3.3%
ベータ値:0.40
コンステレーション・ブランズは、米国内外でビール、ワイン、蒸留酒を販売する。ブランドにはコロナ、モデロ、パシフィコ、ロバート・モンダヴィ・ワイナリー、ルフィーノ1877、カサ・ノブレ・テキーラなどがある。
STZが有力候補である理由
需要減少により、ビール生産量は2021年から一貫して減っている。他の飲料分野との競争や消費行動の変化も影響している。
厳しい市場環境でも、コンステレーション・ブランズは複数のブランドで市場シェアを伸ばしている。市場調査会社サカーナ(Circana)によると、金額ベースの市場シェアを伸ばした上位15ブランドのうち5ブランドをコンステレーション・ブランズが持つ。デービッド・カッツは、市場シェア拡大の勢いによって、ビール需要が回復した際に大きな恩恵を受けられるとみている。配当利回りは3.3%で、年間増配は10年連続している。
タイソン・フーズは2027年に米国の牛飼育頭数が増える可能性を見据える
タイソン・フーズ(TSN)の主要指標は次の通り。
株価:52.46ドル
直近12カ月売上高:557億ドル(約8兆8006億円)
直近12カ月1株利益(EPS):1.62ドル
株価収益率(PER):32.0倍
配当利回り:3.9%
ベータ値:0.37
タイソン・フーズは牛肉、豚肉、鶏肉に加え、冷凍・冷蔵の調理食品を販売する。主なブランドにはTyson、Jimmy Dean、Hillshire Farm、Ball Parkがある。
TSNが有力候補である理由
タイソン・フーズが2026年度の売上高成長率見通しを引き下げた後、TSN株は下落した。見通しの引き下げは、深刻な牛不足で採算が圧迫されていることに加え、牛価格の下落で生体牛在庫の価値が下がる見込みを受けたものだ。牛をめぐる需給環境は短期間では変わりにくいが、牛市場を分析するキャトルファックス(CattleFax)の2026年報告書は、米国で飼育される牛の頭数が2027年に緩やかに増え始める可能性を示した。
タイソン・フーズは、短期的な業績回復ではなく、牛の供給状況や市場環境が改善するまで時間をかけて保有することを前提とした銘柄だ。デービッド・カッツはTSN株を「利益水準が底にあり、景気循環の影響を強く受ける食肉株」と評した。市場環境が回復し、タイソン・フーズが恩恵を受けるまで保有できる投資家は、保有期間中に4%近い配当利回りを受け取れる。
株価上昇の一服が、より深刻な下落局面へ発展するなら、2026年第4四半期に防御力を高める判断が役立つ。下落局面にならなくても、今回取り上げた防御的な銘柄は配当収入を生み、長期の値上がり余地も持つ。


