「アメリカ大陸横断」が可能な航続距離
昨年、Flexjet(フレックス・ジェット)の会長であるケネス・リッチ氏は、「ボンバルディアが2000年代初頭にベースモデルのチャレンジャー300(最大乗客9名程度)を投入した際、アメリカ大陸横断能力と信頼性という2つの課題においてホームランを打った。同機は大陸横断移動に利用できる最上級のスーパーミッドサイズ機の1つだ」と、SNSに投稿した。
航空業界のリサーチ会社であるAMSTATによれば、3500の前身である「チャレンジャー350」(最大乗客10名)は、現時点で429機が運航中であり、2003年に商用運航を開始した「チャレンジャー300」も447機が現役だ。リッチ氏は、「これらの機体は高稼働率を前提に設計されており、当社では年間1200時間飛行している」と語る。FAA(米連邦航空局)の直近の運航証明データによると、Flexjet社はチャレンジャーの各種バージョンを86機保有し、ライバル会社であるNetJets(ネット・ジェッツ)も94機を所有するなど、その運用機数は多い。
今年初め、長年ボンバルディアの顧客であるVista Global(ヴィスタ・グローバル)は、既存の中型サイズのチャレンジャーを拡充するため、現行の3500を40機発注し、さらに最大120機のオプションを追加発注すると発表した。また、カンザスシティを拠点とするAirshare(エアシェア)は、チャーター便や共同所有機の飛行時間において、全米トップ10に入るプライベートジェット運航会社の1つだが、同社は2021年に全米へ事業を拡大する際、スーパーミッドサイズ機であるチャレンジャー3500を選択した。さらに2023年には、4機の確定発注に加え、16機のオプション(追加購入権)を追加。その際、CEOのジョン・オーウェン氏は、「チャレンジャーが当社の共同所有プログラムに導入されて以来、新規・既存の顧客から絶大な反響を得ている」と述べた。FAAのデータによると、同社は現在、2つの運航証明書(チャーター便・共同所有)のもとで計48機を保有している。
3500の絶対的な「ディスパッチ信頼性」
プライベートジェット運行会社の各経営陣によれば、チャレンジャー3500のディスパッチ信頼性(定時出発・運航の確実性)は、運航会社にとって極めて重要だという。なぜなら、チャーター便や共同所有機の場合は、顧客が出発時刻の10時間前にルートやスケジュールを変更することもあり、運航会社はそうした柔軟な運航を保証しなければならないからだ。
ただし、すべての運航会社がボンバルディアから新造機を直接納入しているわけではない。Wheels Up(ウィールズ・アップ)やFlyExclusive(フライ・エクスクルーシブ)などの企業は、いずれも中古のチャレンジャーを取得して改修している。
デルタ航空が出資するプライベートジェット会社Wheels Upは、前四半期に500万ドル(約7億8900万円)を追加投入し、エンブラエル社のライトジェット機「フェノム300」(最大乗客10名)への移行を含む機体刷新計画を、予定より18カ月前倒しで完了させた。CEOのジョージ・マットソン氏によれば、これらの機体は「過去最高水準の運航信頼性」の実現に寄与したという。また、FlyExclusiveの会長兼CEOであるジム・セグレイブ氏は、旧機材のディスパッチ率は30%台前半にとどまり、約70%の時間は整備のためにオフライン(運航停止)だったと述べている。


