サイエンス

2026.09.20 18:00

赤毛は人類の「わずか2%」、その希少性と麻酔薬が効きづらい理由

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赤毛はなぜ北方の地域に定着したのか

この問いへの説明は通常、日光から始まる。色素には一種のトレードオフの関係が存在する。ユーメラニンは紫外線のダメージから皮膚を保護する一方で、ビタミンDを生成するために皮膚が必要とする紫外線も遮断してしまうからだ。

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冬の日照が弱い高緯度に暮らす集団では、暗い色素による保護の恩恵は低下する一方で、その代償は残ったままとなる。そのため、より色の薄い皮膚の方が有利な状態となる。この説明に従えば、赤毛はそれ自体が選択されたというより、色の薄い皮膚へと至る経路の1つとして共に生じたことになる。

ただし、この説には慎重な見方が必要だ。なぜなら多くの生物学者が、赤毛という形質が、自然選択によって積極的に選ばれた(生存にとって有利になった)という説を疑っているからだ。2000年に『American Journal of Human Genetics』誌に発表された研究によると、ヨーロッパ人に見られるMC1R遺伝子の高い多様性は、変異に対する強い制約がなくなった場合に生じる、通常の中立的な変異(生存や繁殖にプラスでもマイナスでもない変異)として予想されるものであり、そこに正の選択が働いた兆候は見られないという。

より慎重な解釈としては、赤毛は積極的に選ばれたというよりは、残ることを許されたということになる。強い日差しの下では、機能しないMC1Rのバリアントは集団から比較的速やかに排除される。その圧力が和らぐとその遺伝子は、生じた変異を自由に蓄積できるようになり、特定のタイプを排除する力が強く働かなくなる。

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そのほか、希少性そのものが魅力となり、赤毛の人がパートナーを見つける上で何らかの利点をもたらしたため、その形質が維持されたという、より古くからの説もある。考えられなくはないが、ヒトにおいてこの説を裏付ける証拠は乏しい。そのため答えというよりは仮説として扱うべきだ。

一方で、赤毛に伴う代償については疑いの余地がない。フェオメラニンは紫外線に対する防御効果が低く、紫外線の下では単に防御できないだけでなく、細胞を直接損傷する活性酸素を生成するとみられる。

赤毛の人は実際に、皮膚がんのリスクが明らかに高い。しかも、2012年に『Nature』誌に発表された研究は、日焼けだけではその理由を十分に説明できないことを示唆している。機能しないMC1Rのバリアントと、皮膚がんの一種であるメラノーマ(悪性黒色腫)を引き起こす一般的な変異の両方を保有するマウスにおいて、紫外線を全く浴びなくても腫瘍が発生したのだ。この結果は、フェオメラニンの色素を生成する経路そのものが、酸化による損傷を通じて、メラノーマの発生に寄与している可能性を示している。

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翻訳=高橋朋子/ガリレオ

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