世界経済フォーラム(WEF)による今年のグローバル・ジェンダー・ギャップ指数(The Global Gender Gap Index:GGGI)が16日、公開された。調査対象145カ国のうち、日本は世界117位だった。昨年の118位から順位を一つ上げたが、主要7カ国(G7)で最下位のままだった。高市早苗氏が昨年、史上初の女性宰相として首相に就任した事実を取り上げ、「それでも日本の順位は大きく改善しなかった」という指摘もみられた。
指数は経済参加、教育、医療へのアクセス、政治参加の4分野での男女間格差の現状を数値化する。もちろん、「指数が低いから男尊女卑の社会」「指数が高いから男女平等の社会」とは断言できない。例えば、教育では就学率が判断の一つになるが、就職や妊娠などによる退学者をきちんと反映していない。政治では、国会議員や閣僚などに占める女性の割合で判断するが、「見栄え」をよくするため、女性の議員や閣僚を一定数起用する国もある。その場合、実際には女性議員・閣僚に重要な権限が与えられていないケースがある。
また、指数が改善しない理由をすべて高市氏に押しつけることもできない。ただ、一つ言えることは、高市氏は「男尊女卑が色濃く残る永田町で生き残った政治家」(自民党長老)ということだ。実際、世間では女性をトップにした企業、教育機関、社会団体などは数多くある。女性首相の誕生が昨年までずれ込んだこと自体、永田町の後進性を示している。
1990年代に国会議員になった高市氏は、他の大勢の女性議員と同様、「男に媚びて生き抜いてきた」(日本政府元高官)と評されることがある。服装では女性らしさを求められ、集会ではボス議員の横に座らされた。高市氏自身、女性であることを強調した発言録が残っているが、それは女性の権利拡大という意味ではなく、男に気に入られるための文脈が多かったようだ。上述の元高官は「高市氏自身が悪いとばかり言えない。当時の永田町文化が女性議員をそのような行動に追い込んできたとも言える」と語る。党長老も「女性にとって居心地の悪い永田町に、本当に優秀な女性は来なかった。トップになれる才能のある女性は、教育界や研究分野、国際機関などに行ってしまった」と語る。
もちろん、高市氏が本当に男に媚びる女性だったということではない。複数の政治家や官僚ら関係者は高市氏について「極めてプライドが高い人」と語る。関係者の1人は「人から教えてもらうことを好まない。すべて把握してから説明を聞こうとするから、首相官邸に閉じこもる結果になる」と語る。
ある高市氏よりも年配の関係者は昨年、久しぶりに官邸を訪れた。そこで他の関係者と一緒に高市首相に挨拶した。すると、高市氏はその関係者の下の名前を呼び捨てで名指ししたという。関係者の1人は「高市氏は永田町で生き抜くため、永田町の男尊女卑文化にどっぷり漬かった。その結果、1990年代くらいまでの古い思考を受け入れる女性になった」と説明する。確かに、現代は、女性や年下の同僚にも「さん付け」で呼びかけるのが当たり前の世の中だ。高市首相が進める政策をみても、女系天皇制に慎重な姿勢が透けて見える。
世間では「初めての女性首相だから期待している」という声をよく聞く。今年の総選挙での大勝や高い支持率も期待の表れだろう。しかし、欧米社会でみられるような「女性指導者」の誕生までは、もう少し待たなければいけないようだ。



