問題は、出発前より疲れた状態で休暇から戻ってくるときに生じる。確かに、一国を端から端まで自転車で走ることはやりがいがあるかもしれない。だが、日曜に自転車を降りて、月曜の全社ミーティングに向けてすっきりした気分で臨めるのかも考えた方がいい。有給を最大限活用したいという誘惑はあるが、復帰に向けて感覚を取り戻す余白を実際に組み込むことが大切だ。筆者は少なくとも1日の緩衝日を設けるのが好きだ。荷ほどきをし、家の中を整え、しっかり眠る時間である。復帰初日の月曜の朝に目覚めると、不在中に積み上がったものが何であれ、対応する準備ができていると感じられる。
同様に、休暇の時間を本当に守ることも重要だ。休暇中ずっと仕事の電話に対応し、職場で起きた問題の火消しをしているなら、心に休息の機会を与えていることにはならない。ただ、作業場所を景色の良い場所に移しただけに過ぎない。
ゆっくり復帰する
復帰が思ったほどスムーズに感じられないとしても、それはあなただけではない。「休暇から戻ることは、心身のシステムにとって巨大な衝撃だ」と、ニューヨーク大学の心理学教授で対人相互作用の専門家であるテッサ・ウェスト(Tessa West)は『Harvard Business Review』に語っている。人の心は急なルーティンの変化に自然と抵抗する。休暇モードに入るまで数日かかるのも同じ理由だ。
これを認め、自分に少し猶予を与えることで、移行に伴う負担を和らげることができる。先送りしていた項目をすべてToDoリストに積み上げるのではなく、取り組むべきものを2つか3つ選び、それに集中する。筆者はタイムマネジメントのフレームワーク「アイゼンハワー・マトリックス」を好んで使っている。タスクを緊急度と重要度に基づいて分類する手法で、今すぐやるべきことと、待てること(あるいは完全に削除できること)を見極める助けになる。
また、復帰初日の朝一番に会議を入れるのは避けるべきだ。この時間は1週間の優先順位を整え、未処理の急ぎのメールに対応するために確保すべきである。実際、筆者は復帰2日目まで予定を入れないようにしている。月曜午前9時よりも、その方が整理された状態で、目の前のことに集中できるとわかっているからだ。
休暇で得たものを守る
デスクに戻ったら、休暇が自分にもたらしたものを棚卸ししてみる。目覚めた瞬間にメールを確認する習慣を断てたかもしれない。コーヒーを味わう時間を楽しめたかもしれない。
当然ながら、休暇の一部は日常生活の中で再現できない。だが、静かな朝や、マルチタスクをせずに食事をとることなど、自分が気に入った小さなことがあるなら、復帰後も続ける方法を考えるべきだ。
おそらく、「休暇終わりの憂鬱」は数日以内に和らぐだろう。だが、上記のステップを踏むことで、現実の生活へ戻る移行をずっと楽にし、仕事のペースを取り戻す過程をできる限りスムーズにできる。


