「間違ってるけど、君、合格!」自分の頭で考えて考えて考える!
投資部を開始して4カ月目でやってくるのが、村上世彰氏との「増額面談」だ。その時点で利益を出している生徒のなかから選抜され、50万円、100万円へと、運用資金の増額を依頼できる。
シンガポール在住の村上氏と、オンラインとはいえ、自分の投資ポートフォリオを見せながら1対1で面談というのは、かなり緊張することは間違いない。
「なんでこの銘柄買ったの」
「いまいくら」「おお、儲かったね」
「そのタイミングで売ったのはなんで」
「それはやり過ぎ」
「これからなにを買いたいの? 理由は?」
と、関西弁の村上氏にどんどん畳みかけられるのである。圧が強い。しかし、N高生たちはひるまず答えていく。そして面談の最後に必ず投げかけられるのが、「僕に何か質問ある?」。
実際の面談の様子をご紹介しよう。審査を受けるのは、当時N高2年の投資部員Aさん。
村上世彰氏(以下、村上氏):じゃあ、僕になにか質問ある?
Aさん:日経平均の高騰についてお聞きしたいです。いま4万5000円ぐらいですが(2025年9月当時)、自分は一度下落するかなと思っています。村上さんはどう考えていますか?
村上氏:これはもう、トレンドとしてマネーサプライ(の増加)が続くのと、その結果だから。日本だけが株価そんなに上がってなかったのよ。世界はもっと上がってる。
もうひとつは、君さ、配当って日本の企業全体でどれぐらい出してると思う?
Aさん:全体ですか? 多分、平均3%ぐらい?
村上氏:いや、何兆円かっていう話。
Aさん:全体の時価総額からいって……10兆円とかですか?
村上氏:君、合格!もう面談ここまででいいや。増資します。
Aさん:えっ、ありがとうございます。
村上氏:まあ、10兆円は間違ってるんだけど(笑)。君、頭がいい。将来「村上さんに褒められた」って言っていいよ。間違ってるんだけど、全体が3%で、トータルの日経平均の時価総額がいくらだって考えて、10兆円という発想がいいんだよ。
本当はもっとある。今、20兆円から25兆円ぐらい配当出てるかもしれない。それはもう必ずボディーブローで効いてくる。だからマーケットはずっといいと思う。今までは会社は儲けた金をため込んでたわけよ。
「間違ってるけど、合格!」というこの言葉の裏にあるのは、「自分の頭で考えて考えて考えろ」という村上氏の投資家としての信念だろう。
質問されたことに対し、「君はどう思う?」と問い返すのが村上氏の定番だ。たとえ知らないことでも、自分なりの理路で考えてさえいれば、「数字は間違っているけど、合格!」となる。
逆に、何人かの人が陥っていたのが、このパターンだ。別の生徒の面談を覗いてみよう。


