米国で最も高賃金の仕事は、数え切れないほど数多く理由で、性別によって異なる。フォーブスはこのほど、米労働統計局(BLS)が職業別に収集した賃金に関するデータと、その職業に占める女性の割合、男性との賃金の格差に関するデータから、2016年に米国で女性が最も高額の収入を得た仕事トップ10を割り出した。ただし、BLSが調査対象としているのは5万人以上が従事している職業に限られている。
大企業の女性CEOは6%
米国内には昨年の時点で、CEOの肩書を持つ女性が31万8000人いた。多いように思えるかもしれないが、男性は83万2000人だ。さらにS&P500種株価指数を構成する大企業に限ってみると、女性CEOの割合はわずか6%となっている。
二番目に女性が高収入を得たのは、薬剤師だった。男性との賃金格差も比較的小さく、全職業の平均が18%である一方、12%となっている。
女性にとって高賃金の職業のリストには、医療関係の仕事が多く入っている。その中で最も高収入を得ていたのは、3位のナース・プラクティショナーだ。
ただし、医師の賃金には問題点が多い。男性労働者の間では、医師の収入はランキングで2位の12万1386ドル。一方、女性医師は8位の7万6752ドルとなっている。診療科や経験年数など、さまざまな要因を考慮した統計の結果でも、医師の年収は女性より男性の方が、2万ドル近く多いことが分かっている。賃金の男女差は、37%に上る。
2016年に女性が高収入を得た仕事
以下、米国で女性が2016年に最も高額の収入を得た仕事トップ10を下位から順に紹介する(金額は年収の中央値、割合は左から「従事者に占める女性の割合」、「男女の賃金格差」)。
10位: 経営コンサルタント/ 6万9784ドル(約790万円)、43%、15%
9位: エンジニア(建築エンジニアを除く)/ 7万2852ドル、13%、16%
8位: 内科医・外科医/ 7万6752ドル、38%、37%
7位: 医師助手/ 8万444ドル、67%、不明
6位: ソフトウェア開発者(アプリケーション・システムソフトウェア)/ 8万756ドル、20%、17%
5位: 弁護士/ 8万4188ドル、40%、22%
4位: コンピューター・情報システムマネージャー/ 8万7360ドル、25%、4%
3位: ナース・プラクティショナー/ 9万1156ドル、92%、不明
2位: 薬剤師/ 9万5628ドル、60%、12%
1位: 最高経営責任者/ 9万7552ドル、28%、22%