ナスダック上場のシートリップは24日の取引を48.54ドルで終え、昨年9月の48.96ドル以来の高値水準となった。
上海本拠のシートリップの売上高は昨年12月までの四半期で、前期から76%増加し7億5000万ドル(約840億円)に達した。同社は2015年に競合のQunarを買収している。
シートリップの株式の22%はバイドゥが保有し、10%はアゴダやブッキングドットコムの親会社の米国の大手旅行会社プライスラインが保有している。
シートリップのCEOのJane Sunは中国版フォーブスの最新号の表紙に登場し、インタビュー記事では中国の旅行業界の明るい見通しについて語っている。Sunはフォーブスの「中国を代表するビジネスウーマン」ランキングで15位に選ばれた。
昨年10月に発表のフォーブスの「中国の富豪」ランキングには、シートリップの4名の創業者から2名がランクインした。現在はセコイヤチャイナのパートナーであるNeil Shenと、米国で上場する企業China Lodgingの会長を務めるJi Qiの2名だ。Sunは昨年11月にシートリップのCEOに就任した。
シートリップは中国のOTA(オンライン・トラベル・エージェンシー)としては最大手で、2015年の訪日中国人観光客の半数が同社のサービスを利用していたとのデータもある。
中国の習近平国家主席は、今年の世界経済フォーラム(ダボス会議)の基調講演で「今後5年で中国人の海外旅行者数は7億人に達する」と語った。中国では高齢者の間にも旅行のオンライン予約が浸透しつつあり、シートリップの勢いはしばらく続きそうだ。
シートリップは昨年、日本事務所も開設し日本企業との提携も進めている。