はじめまして、MOON-X Co-founder/CEOの長谷川晋です。

今回は3回連続でForbes JAPAN SMALL GIANTS に寄稿させていただくことになりました。
この寄稿では、MOON-Xの事業で培ったノウハウとCAMPFIREとの業務提携で生まれたブランドを使った企業支援の実例をお伝えして、スモール・ジャイアンツ企業の方々に参考にして頂けるような発信ができたら嬉しいです。

初回となる今回は「JAPAN BRANDS Launchpad」について、ご紹介させていただきます。
「JAPAN BRANDS Launchpad」とは、MOON-XとCAMPFIREが連携して取り組んでいるスタートアップ企業や経営者を対象にした企業支援事業になります。ブランドのアイディアをピッチし優秀賞などを受賞した企業は、クラウドファンディングの立ち上げからブランドの拡販・ブランディングから事業拡大まで一気通貫した支援を受けることができるというものです。




【CAMPFIREとの出会いから生まれた新たなブランド共創モデル】


JAPAN BRANDSとは、日本の原材料のみから生産・日本国内で生産という狭い意味だけではなく、日本の技術や日本人のこだわり、日本の消費者の厳しい目で磨かれているなど、広義の日本ならではのエッセンスが反映されたブランドを指しています。
近年、クラウドファンディングのような新しい仕組みを活用することで、資本が無くても「アイディア」を形にして世の中に出すハードルは下がっています。ただ同時にプロジェクトが一過性で終わってしまうことも多く、なかなか継続的な事業にならない、ブランドとして育つ事例がまだまだ少ないという課題もありました。
継続性を持たせるためには「ブランド」を作ること、特にオンラインではデジタル・モバイルでブランドや製品のストーリーを語ることが重要です。またECプラットフォームを活用することで、分析→企画→実行までをスピーディに完結し、結果に繋げることができます。

MOON-Xは、自社ブランドを立ち上げ成長させていく中で培ったこれらの知見やノウハウを活用することで、ブランドを中長期的に育てることを補完できるのではないかと考えこの企業支援事業を立ち上げさせました。




事業の骨子としては
・いくつかのブランドへの支援提供を試験的に開始
・ピッチイベントを兼ねたワークショップを定期的に共催
の2つがあり、先日ピッチイベントの2回目を「地域のモノづくり」をテーマで行ったばかりで、数々の素敵なアイデアをお聞きでき、下記3つのプロジェクトに特別賞を授与させていただきました。3つの内容については次号以降で詳しくお話しする予定です。

・「国内で自給自足できる素材!「豚革」の魅力を伝えたい!!」Pigup 児嶋 真人様(東京都墨田区)
・性生活における不必要な痛みを0に!「CBDルブリカント」Unwind 橋本佳音様(兵庫県神戸市)
・専門医師の叡智を結集 佐賀県産「日本初処方搾りたて生アマニオイル」(福岡県福岡市)眼科医 大倉萬沙子先生・サポーター

今回ご紹介するのは2021年11月に行われた第一回目のピッチイベントで最優秀賞に選ばれた金森合金との取り組み事例です。
金森合金はこれまで300年続く鋳物の事業をTo Bメインで展開されてきました。しかし、24代目となる高下裕子さんは先細りする業界の現状を打開し、子供たちにもものづくりの大切さを知ってほしいと、To C事業の拡大に注力。銅とアルミの特性をいかし、機能性をデザイン性に優れたライフブランドを精力的に展開されています。
https://www.kanamori1714.jp/

ピッチコンテストでは、江戸時代から続く循環型ものづくりの事業を通じて、ものづくりをほとんど知らない子供たちに、夢見るアイデアをカタチにしたい。それが子供たちの想像力を育ませ、これからの日本のものづくりを支える力に繋がっていく。という熱い思いを語っていただきました。私は、「こういった会社にテクノロジーが絡み進化していくことが、まさに我々が目指していること。」「金森合金の持つ社会的意義に、商品としての便益が加わればさらに凄いものになっていく。」と感じ、最優秀賞に選出させていただきました。

そして現在、そのアイデアを進化させ進んでいるのが「子どもたちのアイデアがカタチになる Circular Design Project」です。




石川県星稜高校で金森合金が講座を持ち、生徒が主導して伝統的砂型鋳造で生まれるカナモノの商品開発をキックオフされています。現在、「持ち運びや軽量化に焦点をあてたタブレットスタンド」を作ってはどうかというアイデアが出ています。タブレットと教科書を狭い机の上で同時に使うことが難しい、といった現代の生徒たちの不便さに焦点をあて、軽く使いやすい製品の開発と情報発信をしていく予定です。「星稜高校スタンド」のようなアイコニックなカナモノができることがとても楽しみです。




MOON-Xとしては、学生ならではの視点を引き出す企画と伝統的なものづくりを掛け合わせて事業化することを支援しています。授業そのものの進め方やアイデアの絞り込み、学生からの発信などをお手伝いする他、クラウドファンディングを展開するサポート、ゆくゆくはブランドの拡販も支援したいと考えています。

【自社ブランドの知見を活かしたブランド支援】


クラウドファンディングそのものでもJAPAN BRANDSに貢献したいと考えています。生産者が資金面等が課題で製作に着手できていないものの、世の中に出して意義があると信じているものをクラウドファンディングを通じてエンパワーする存在でありたいと願っています。これまで自社でレモンサワーPULEMO, ルビーレッドエールなどのクラウドファンディングを立ち上げ成功させてきました。
最近では、三重県伊勢市の代表的なクラフトビールのブリュワリーである伊勢角屋麦酒が作りたくてもなかなか作れなかった「夢のビール」アイスボックビール『DIGNITY』の実現に、共同プロジェクトとして取り組んでおり、2022年4月半ばで目標の800万円を達成、1000万円に到達する勢いです。
https://camp-fire.jp/projects/564768/backers#menu

今後も、今回ご紹介したようなJAPAN BRANDSを進化させていく実例をお話ししたいと思います。読者の皆様にとって、有意義なコンテンツにしたいと思いますのでもしフィードバック等ありましたら私のTwitterに質問箱もございますのでぜひフォローいただきご質問いただければと思います。



長谷川 晋|MOON-X株式会社 Co-founder/CEO新卒で東京海上火災に入社した後、P&Gに転職。消費者の生活を豊かにするブランドのマーケティングやマネジメントを経験。代表取締役をつとめたFacebook Japan (現Meta)で世界の24億人にリーチできるプラットフォームを実感するとともに今後のテクノロジーの進化を確信。2019年8月に『JAPAN BRANDSの発射台となる』をミッションに掲げ、共同創業者の塩谷とMOON-Xを起業。
https://twitter.com/shinhasegawa8