ドナルド・トランプ大統領は、イスラエルは自身の意向に従っていると述べ、ベンヤミン・ネタニヤフ首相について「正気を保たせておかなければならない」と語った。イスラエル高官がトランプのイラン合意を広く批判する中、トランプがイスラエルに対する優位性を誇示しようとする最新の例である。
トランプ、イスラエルがレバノンを攻撃しないようコントロールできると主張
米国時間6月19日に公開されたAxiosのインタビューにおいて、トランプはネタニヤフとの関係は「良好だが、彼を少し正気に保たせておかなければならない」と強調した。また、レバノンへの攻撃をイスラエルが行わないよう自分はコントロールできるとも主張。「彼らは私をとても尊敬している。だから私の言う通りにする」と語った。
これら発言は、イスラエルが6月18日夜、レバノンにおいて、イランが支援する武装組織ヒズボラに対して攻撃を開始した直後に報じられた。レバノン保健省によると、この攻撃で少なくとも47人が死亡した。
イスラエルとヒズボラ、新たな停戦合意の状態に
イスラエルとヒズボラは6月19日、新たな停戦合意に入った。トランプはNBCに対し、戦闘停止に同意するようイスラエルに求めたと主張したが、ネタニヤフと直接話したかどうかは明言しなかった。
その前日の6月18日、米国の対イラン交渉を主導したJ.D.バンス副大統領が、米国とイランの合意を非難してきたイスラエルの議員たちを厳しく批判した。「もし私がイスラエル政府の閣僚なら、世界で唯一残された強力な同盟国を攻撃したりはしないだろう」と述べた。
トランプはAxiosに対して、イランの核兵器の入手とイスラエルへの使用を自分が阻止したため、イスラエルは自分なしには存在しないという従来の主張を繰り返した。
またトランプは、イラン攻撃は自分の権力に限界がないことを証明したと考えているとも語った。イランとの合意は、攻撃開始の主要な目的だったイランの核計画の終結が保証されていないとの批判があるにもかかわらずだ。攻撃が自身の権限を試したのかと問われると、「限界はない」と答えた。さらにトランプは、イランがホルムズ海峡を封鎖して世界の石油供給を絞り、世界経済を大恐慌に陥れかねない状況を防ぐため、イランと合意したとも述べた。
イラン合意をめぐる、米国とイスラエルの動向
米国とイランは、軍事的敵対行為を終結させるため、6月17日に覚書(MOU)に署名した。しかし、最終合意の交渉を開始する目的で6月19日にスイスで予定されていた会合を中止した。
この合意はまた、米国の同盟国があらゆる戦線、特にレバノンで戦闘を停止することも求めていた。だがネタニヤフは、イスラエルは合意の内容を知らされておらず、その条件に拘束されないとして、レバノンでの軍事的な駐留を継続すると誓っている。
6月17日夜、イスラエルがヒズボラを攻撃したことを受け、イランは6月19日の協議から離脱したと、匿名の外交官3人がニューヨーク・タイムズに語った。イスラエルのレバノン駐留をめぐる対立は、米国とイランの紛争終結に向けた進展を繰り返し停滞させ、トランプを苛立たせてきた。
今月初め、ネタニヤフとの緊迫した電話会談で、トランプは同首相に対し「狂っている」「少し動揺している」と伝えたという。6月14日、トランプとイランが覚書にデジタル署名する見通しとなる中、トランプはAxiosに「ネタニヤフがレバノンを攻撃したことに、ひどく腹を立てた」と語った。「彼には分からせた。彼にはまるで判断力がない。そう分からせたんだ」とトランプは述べた。



