経済

2026.06.19 10:30

ホルムズ海峡が再開しても、ガソリン価格は「イラン攻撃前の水準」には戻らないかもしれない 米国

stock.adobe.com

stock.adobe.com

ガソリン価格が下落し始めたことは、米国のドライバーにとって朗報だ。米・イスラエルのイラン攻撃とホルムズ海峡を通る輸送の混乱により、数カ月間にわたる燃料価格の高騰に苦しんできた後では、わずかな値下がりでさえも安堵感をもたらす。

advertisement

しかし、危機的な高値からは一服したものの、正常な状態に戻ったとは言い難い。

この違いは、今後数カ月間の石油市場を左右するかもしれない。米・イラン合意の進展はトレーダーに原油価格を押し下げる理由を与えた。市場は前向きで、ホルムズ海峡が再開されて湾岸諸国からの原油輸出が再開し、ガソリン価格を急騰させたエネルギー危機は収束に向かうとのシナリオを迅速に価格に織り込んだ。

その見通しは最終的に正しかったと証明されるかもしれない。しかし、現物原油市場は先物価格ほど動きが速くない。タンカーの航路、保険市場、出荷の滞留、製油所の原油処理計画、そして枯渇した在庫――これらすべてが正常化するには時間がかかる。たとえ外交的な枠組みが維持されたとしても、ガソリン価格がイラン攻撃前の水準まで回復する道のりは最近の原油価格の下落が示唆するよりも緩やかで、波乱に富んだものとなるだろう。

advertisement

問題は価格が下落したかどうかではない

対イラン軍事作戦の開始を受け、米国内のガソリン平均価格は1ガロン(約3.8L)=3ドル(約480円)未満から4ドル(約640円)を超える水準にまで急騰し、3カ月間にわたって高止まりしていた。消費者は原油価格の高騰、製油所の操業停止、季節的な燃料需要の高まりといった複合的な影響に直面してきた。

だからこそ、最近の価格下落は現実的であると同時に不完全でもあるのだ。ガソリン価格が1ガロン=4.50ドル(約720円)から4.05ドル(約650円)に値下がりすることに意味はある。家計の負担は軽減され、インフレ圧力の緩和にもいくらか貢献する。しかし、価格水準は依然としてイラン攻撃前をはるかに上回っている。

ここで、世間の議論が誤解を生んでしまうおそれが生じる。ガソリン価格が数週間続けて下落すれば、石油危機は終わったと主張する人が出てくるだろう。しかし、重要なのはガソリン価格が最高値から下落するかどうかではない。それはすでに起こっている。ここで問うべきは、価格がいつイラン攻撃前の水準に戻るのか、である。

これはまったく別の問題だ。

次ページ > ガソリン価格は高止まりする可能性がある

翻訳・編集=荻原藤緒

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事