日本のビリオネアである孫正義の資産が、過去1週間で200億ドル(約3.18兆円。1ドル=159円換算)以上減少した。これにより、彼は一時的に保持していた「アジア首位の富豪」の称号を明け渡すことを余儀なくされ、世界の富豪ランキングのトップ25からも転落した。ソフトバンクグループが直面した株価の急落がその背景にある。
孫の現在の推定資産額は753億ドル(約11.97兆円)であり、過去24時間で9%近く減少した。ソフトバンクグループの株価が先週の終値から14%以上急落し、6374円にまで値を下げたことが主な要因だ。
ここ数週間、AIへの楽観論を背景にソフトバンクグループの株価は急騰しており、これによって同社は時価総額でトヨタ自動車を抜いて首位の座に躍り出た。
ソフトバンクグループ株の急騰によって孫の資産額は970億ドル(約15.42兆円)に達し、一時的にインド人富豪のムケシュ・アンバニやゴータム・アダニを追い抜いてアジア首位の富豪となっていた。
しかしその後、孫の資産は220億ドル(約3.5兆円)近く減少し、フォーブスの『リアルタイム・ビリオネア・リスト』ではアダニとアンバニの両者の後塵を拝する結果となっている。
また、彼は11日時点の世界ランキングでもジュリア・コックに次ぐ26位に後退した。
ソフトバンクグループ株の急落は8日に始まった。ナスダック指数が4%下落した前週金曜日の流れを受け、アジアの株式市場全体が週明けに全面安となった結果だ。同社の株価は10日と11日にも再び打撃を被った。そのきっかけは、ソフトバンクが保有するOpenAI株を担保に60億ドル(約9540億円)のマージンローンを調達するために進めていた交渉が行き詰まったとの報道だった。同報道によると、一部の債権者が非上場企業の評価額を基に融資を行うことに対して懸念を示したという。また、アンソロピックと激しく競り合うOpenAI株の13%を取得するために600億ドル(約9.54兆円)を投じたソフトバンクの姿勢に対する懸念の声も強い。
今週初め、OpenAIは米証券取引委員会(SEC)に非公開でForm S-1を提出し、上場に向けた最初のステップを踏み出した。同社は声明でこの提出の事実を認めた上で、上場の具体的な実施時期に関しては「しばらく時間がかかる可能性がある」と警告した。ロイター通信の報道によると、OpenAIは上場時の想定時価総額として約1兆ドル(約159兆円)を目標に掲げているという。OpenAIがForm S-1を提出するわずか1週間前には、ライバルのアンソロピックも同じく非公開で上場申請を行っている。
先週末、インド人富豪のアンバニが孫を抜いてアジア首位の富豪の座を奪還した。しかし、今週初めには、同じくインドのビリオネアであるゴータム・アダニにその座を再び明け渡すこととなった。アダニはバイデン政権によって詐欺罪で起訴されていたが、トランプ政権がそれを取り下げて以来、彼の資産額は急速に拡大している。



