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2026.06.10 14:15

医学系学会の親善サッカーは早朝6時キックオフ 神戸で見たおもてなしの極致

親善サッカー試合ではノエビアスタジアムをハーフコート(8人制)で使用

親善サッカー試合ではノエビアスタジアムをハーフコート(8人制)で使用

全国各地で「MICE」の誘致に躍起になっている。

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MICEとは、企業などの会議(Meeting)、企業などの行う報奨・研修旅行(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会などが行う国際会議 (Convention)、展示会・見本市やイベント(Exhibition/Event)の頭文字を取った言葉で、これらのビジネスイベントの総称だ。

そのため、MICEはそれら由来の旅行を生む。宿泊日数が多いだけでなく、観光客が少ない平日にホテルや飲食店の集客ができるメリットがあるため、その誘致には熱心だ。

そんななかで、医学系の学会が数多く開催される地として知られるのが「神戸」だ。ポートアイランドにある国際会議場、ポートピアホテルなどで、毎月のように数千人規模の学会が開催されている。

経済効果は20億円近くに

神戸市は、地方博の歴史に名を刻んだ1981年の「神戸ポートアイランド博覧会」をきっかけに、コンベンションの誘致に力を入れてきた。

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1995年の阪神・淡路大震災からの復興に向けた国家プロジェクトとして、ポートアイランドに医療関連産業を集積させる方針が決まると、それと軌を一にするように、医学系の学会の誘致に舵を切ることになったのだ。
 
先月5月21日から開かれた「第99回日本整形外科学会学術総会」では、全国から整形外科の専門医など約1万2000人が参加。観光庁が示したモデルで試算すると、経済効果は20億円近くに上る。

第99回日本整形外科学会学術総会/会長(田中 栄)講演
第99回日本整形外科学会学術総会/会長(田中 栄)講演

驚くのは、この学術総会の公式事業として、早朝6時からサッカー、野球、バスケットの親善試合が、出身大学の対抗戦(トーナメント方式)として開催されていたことだ。もちろん、会議場での発表など学会本来の活動より前の時間帯に行われた。

親善スポーツ大会のトーナメント表
親善スポーツ大会のトーナメント表

ただその会場は、ヴィッセル神戸の本拠地である「ノエビアスタジアム神戸」、プロ野球でも利用する「ほっともっとフィールド神戸」などで、一般のアマチュアではあまり利用しない素晴らしいレベルの施設が使われた。

 5月21日、筆者は朝7時にノエビアスタジアムの裏口からピッチに入った。前日からあいにくのどんよりした雨だったが、このスタジアムは屋根が開閉できる「全天候型」のサッカー専用競技場だ。

第2試合の新潟大学と熊本大学との一戦がキックオフした直後だった。プレイヤーは全員が現役の整形外科医。揃いのユニフォームはもちろん、最新のLED照明からまばゆい光線が降り注ぐなかで、天然芝の上で軽やかにパスを受けて、ドリブルで敵を突破していく医師たちの姿に、私は目を疑った。

親善スポーツ大会/サッカー(新潟大学 vs 熊本大学)
親善スポーツ大会/サッカー(新潟大学 vs 熊本大学)

第1試合を終えたばかりの群馬大学チームのプレイヤーの1人から話を聞いた。
 
「この学会では恒例です。文武両道と言いたいのですが、整形外科医はスポーツでの怪我も治療するので、スポーツしている人が多い。なので、なんちゃってではなく、ガチでやる。患者さんからも、医師もスポーツをやっていて、どの動きで怪我が起きるのかも知っていると思われていますね」
 
なるほど、もはや単なる趣味とは言えなさそうだ。ただ、このようにJリーグで利用するような立派なサッカー競技場を使用するのは一筋縄にはできない。日本整形外科学会の独力では無理だろう。

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文・写真=多名部 重則

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