AIに反対する米国民が、同国の直面する「最大の政治的危機」になるだろうと、元米国エネルギー顧問で投資会社TWGグローバル(TWG Global)のマネージングパートナーを務めるエイモス・ホクスタインが、米国時間6月3日に開催されたフォーブス・アイコノクラスト・サミット(Forbes Iconoclast Summit)で語った。
バイデン政権で要職を務めたホクスタインは、AIデータセンターが電力価格を押し上げ、膨大な量の水を必要とし、汚染を生み出し、雇用を奪っているとの懸念が、AIに必要なインフラを迅速に建設する能力を脅かしていると述べた。
彼はさらに、米国はデータセンターを2027年ごろ、場合によっては2028年ごろまで支えられるだけの電力供給能力を整備しつつあるが、その先についてはほとんど手当てできていないと指摘した。制約となっているのは原材料ではなく(米国は使い切れないほどの天然ガスを保有している)、実際にはインフラを十分な速さで建設することだと語った。
ホクスタインには、シュナイダーエレクトリック(Schneider Electric)の執行副社長ビン・ルーと、デジタルブリッジ(DigitalBridge)のマネージングディレクターであるサディク・マリクが加わり、エネルギー業界がデータセンターにエネルギーを供給することでAIの成長をどのように支えているかについて語った。
「経済成長の主要な制約がエネルギーになるのは、これが本当に初めてです。労働力でも、技術でも、資本でもありません」とルーは述べた。
直近に懸念される最大の政治的危機は
「今後6カ月から2年の間にこの国に訪れる最大の政治的危機は、米国民がAIに反対することになるだろう。それはデータセンターや発電所への反対を意味する」とホクスタインは語った。
ホクスタインは、バイデン政権で上級エネルギー顧問および中東交渉担当を務めた人物であり、現在はAI、テクノロジー、エネルギー、金融にわたって保有資産を持つ投資会社TWGグローバルのマネージングパートナーである。在任中、彼は2024年のイスラエル・レバノン停戦を仲介し、サウジアラビアおよびUAEとのAI協力とインフラ投資に関する米国の取り組みを主導した。彼は今なお、エネルギー市場と地政学に関して注目される論客であり続けている。
米国時間6月3日、ホクスタインは、中東での戦争が終わればすぐに原油が滞りなく供給されるようになる、と投資家が誤解していると警告した。実際には、米国は現在20年ぶりの低水準にある有限の石油備蓄に頼って暮らしており、その余裕が縮小するにつれて借入コストとインフレが上昇し、AIインフラの拡充はさらにコストがかさむことになるという。
データセンターの大規模建設への反対
米国民は、データセンターの大規模な建設に反対してきた。データセンターとは、あらゆるAIチャットボットを舞台裏で動かしているコンピューターで満たされた、倉庫規模の巨大な建物だ。OpenAIやAnthropic(アンソロピック)からメタ、マイクロソフト、アルファベットに至るまで、テクノロジー企業はこぞって全米でその建設を急いでいるが、それらは電力と水を大量に消費し、地域の公共料金を押し上げ、広大な土地を飲み込んでいる。
米国時間5月13日に公表されたギャラップ(Gallup)の世論調査では、10人のうち7人が自分の住む地域内のAIデータセンターに反対しており、半数近くが「強く」反対していることが分かった。その怒りは郡の集会場や街頭にあふれ出ており、2024年以降に地域の反対運動が立ち上がり、2025年には数十件のデータセンターを遅延または中止に追い込んだ。この問題は党派を超えており、開発業者や州当局が建設を経済および国家安全保障上の必要性と位置づけているにもかかわらず、超党派の反対が硬化している。



