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2026.06.15 09:00

29歳の中国人ゲーマーが創業 3D生成AI企業が評価額1600億円のユニコーンに

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中国の3Dモデル生成AIスタートアップ「VAST」が、ユニコーン企業の仲間入りを果たした。29歳のゲーム愛好家サイモン・ソンが創業した同社は、INCE Capital、Genesis Capital、Primavera Capital Groupなど10社以上の投資家から新たに約2億ドル(約319億円)を調達した。

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同社は6月1日、シリーズA+およびシリーズA++ラウンドでの資金調達完了を発表した。この取引に詳しい関係者2人によると、今回の調達により同社の評価額は少なくとも10億ドル(約1597億円)に達したという。関係者の1人は、評価額が約15億ドル(約2395億円)に上るとの見方を示した。一方、VASTの広報担当者はコメントを控えている。

今回の資金調達は、3月に実施したシリーズAラウンドからわずか3カ月後に実現した。同ラウンドはアリババとプライベートエクイティファームのHengxu Capitalが主導し、評価額は非公表ながら5000万ドル(約80億円)を調達している。VASTは2023年にソンによって設立された。ソンは今年の「Forbes 30 Under 30」アジア版に選出されている。

自身も熱心なゲーマーであるソンは、VASTを通じて3Dコンテンツ制作の迅速化を目指している。同社が提供するAIプラットフォーム「Tripo AI」は、画像やテキストによるプロンプトをわずか数秒で高精細な3Dオブジェクトへ変換する。これにより、ユーザーやゲーム開発者は、3Dコンテンツの制作にかかる時間とコストを大幅に削減できる。

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VASTは、今回調達した資金を人材採用と研究開発の強化に充てる方針だ。同社は、資金調達の発表に合わせて「世界モデル」の開発を目指す「Project Eden」も公表した。世界モデルとは、人々が自由に探索し、オブジェクトなどと相互作用できる仮想環境を生成するAIの一種である。コンピューターサイエンスの第一人者であるフェイフェイ・リが創業した空間インテリジェンス企業「World Labs」も、ユーザーが自由に探索できる3D環境を生成する世界モデルの開発を手がけており、今年初めに10億ドル(約1597億円)を調達している。

VASTは資金調達の発表の中で、複数ユーザー向けのシミュレーション環境の構築を目指していると述べている。同社はまた、Tripo AIが大きな進展を遂げ、映画のようなクオリティでリアルな人物像を生成できるようになったと説明している。

VASTは、中国のゲーム大手NetEaseやソニーなどの企業と提携しており、プロジェクト単位で報酬を得ている。同社によると、Tripo AIは世界で2000万人のユーザーを抱え、アニメーション制作や工業デザインなどの業務に活用されているという。ユーザーの大半は、米国、欧州、日本に集中しており、月額20ドルから140ドル(約3190円〜2万2360円)のサブスクリプション料金を支払っている。

ソンはジョンズ・ホプキンス大学で経済学と国際関係学を専攻し、2019年に中国へ帰国した。最初のキャリアとして彼が選んだのは、香港証券取引所に上場するAIソフトウェア企業SenseTimeの共同創業者兼CEO、シュー・リーのアシスタントだった。その2年後にはAIモデル開発の「MiniMax」を共同創業し、2022年に同社を退社してVASTを設立した。

forbes.com 原文

編集=朝香実

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