成功を収めるためには、“情熱”が必要である。しかしそれだけでは不十分。その情熱を共有する仲間をつくり、伝染させていくことで、情熱を超えた熱狂が生まれる。それはノルケインという小さなスイス時計ブランドの躍進を見ればわかる。
2018年に創業したノルケインは、スイス時計産業では珍しくなった、独立資本の家族経営による時計ブランド。創業者は老舗時計ブランドで経験を積んだのちに独立したベンとトビアスのカッファー兄弟。彼らはあえて歴史と伝統が重視されるレッドオーシャンに飛び込み、手の届く価格帯でオリジナルウォッチを製作するという困難に挑んだ。
誰もが失敗するだろうと思っていたが、結果として会社の規模や売り上げは、毎年右肩上がりで上昇している。その要因は、価格競争力やオリジナリティなど、いくつもあるが、最大の要因は、まさに“情熱”である。兄のベン・カッファーはCEOとして経営の軸を担い、弟のトビアス・カッファーは主にセールスを担当。世界中を飛び回り、各国のディストリビューターと強固な関係を築くだけでなく、ノルケインを愛するオーナーたちとのコミュニケーションも積極的にとる。
時計を通じて伝染するポジティブな循環
「NORQAIN PEAKS」は、スイス時計の頂点を目指すノルケインが全世界で展開しているオーナー参加のイベント。日本ではスノッブな高級ホテルではなく、あえて若者でにぎわう渋谷・宮下公園の「or MIYASHITA PARK」を会場に選び、時計オーナー、時計愛好家、インフルエンサー、メディアなど約150名を招待して賑やかに開催された。
まず壇上に上がったCEOのベン・カッファーは「再び皆さんに会いに来ることができ、本当に嬉しく思っています」と3年ぶりの来日を喜んだ。また、今後のビジョンとして「チャレンジを続ける姿勢こそがノルケインの根幹であり、チャレンジャーブランドとしての在り方です。『Enjoy Life』には、最高品質の時計を通じて人生を楽しんでほしいという想いを込めています」と語った。

そしてトビアス・カッファーからは新製品のプレゼンテーションが行われ、会場に設置されたタッチ&トライコーナーには長蛇の列が出来上がる。誰もがノルケインの新作時計に期待していたのだ。

さらに後半は、ブランドアンバサダーである体操競技の金メダリスト、岡慎之助選手と世界で活躍する山岳ランナーの上田瑠偉選手も登壇。カッファー兄弟やノルケインジャパンのCEO濱鍜健治と5人で「挑戦」や「Enjoy Life」をテーマにしたトークセッションも行われた。

岡選手は10月に行われる体操の世界選手権での優勝を、そして上田選手は7月に開催される富士登山競走の2連覇を、これからの挑戦として掲げ、そのためにトレーニングを積み重ねる日々であることを語る。
さらに岡選手は「練習で積み上げてきたものが結果として出ることの楽しさや、仲間と切磋琢磨して練習できる楽しさがあります。限界に挑戦することも楽しいことですし、常に挑戦し続けることが、楽しくてしょうがないです」と前向きな姿勢を語る。

また上田選手も「挑戦し続けた先に勝つことができるとやはり楽しいですね。そして、純粋に山を走るトレイルランニングという競技が好きです。登っている最中は苦しいですが、登った先から見える綺麗な風景や、山の中を走る時に感じられる自然の風、木の根や岩などの足元をいかにうまく飛び越えていけるかといったところに快感を覚えます」と語る。ふたりとも過酷な競技に立ち向かうにも関わらず、考え方は極めてポジティブだ。

こういったふたりのポジティブな姿勢もまた、ノルケインの考え方と共鳴する。そしてその前向きな情熱が会場にいる人たちにも伝わる。
ノルケインの時計は、情熱から生まれる。そしてその情熱は、時計を通じて伝染する。「NORQAIN PEAKS」は、そんなポジティブな循環があった。
ノルケイン ジャパン
https://norqain.com/ja/
おか・しんのすけ◎体操選手。2003年生まれ、岡山県出身。幼少期に体操を始め、2019年の世界ジュニア体操競技選手権大会で、団体と個人総合で金メダルを獲得。2022年に大けがを負うものもカムバックし、2024年のパリオリンピックにて、男子団体総合、個人総合、鉄棒で金メダルを獲得。さらに平行棒でも銅メダルを獲得した。
うえだ・るい◎山岳ランナー。1993年生まれ、長野県出身。大学時代からトレイルランニングを始め、デビュー戦を大会新記録で優勝を果たす。その後も数々の大会で優勝し、記録を塗り替える。スカイランニングのU-23世界選手権で優勝し、世界最高峰のトレイルランニングレース「UTMB」のCCC®でも準優勝を飾る。
ベン・カッファー◎ノルケインCEO。1988年生まれ、スイス出身。時計一家に生まれ、2006年にブライトリングに入社し、スイスとアジアのセールスマネージャーを務める。17年に同社を退社し、翌年、ノルケインを創業した。
トビアス・カッファー◎ノルケイン副社長。1990年生まれ、スイス出身。ルイ・エラールやジュエリー会社でセールスの経験を積み、実兄に招かれ、21年5月から現職。ベンの右腕として、世界を飛び回る。
はまか・けんじ◎ノルケインジャパン株式会社 CEO & Founder。1968年大阪府出身豊中市生まれ。東京芸術大学卒。1995年ブライトリング・ジャパン株式会社設立に参画。同社経営企画担当取締役を経て2018年から現職。



