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2026.06.05 10:15

「デイ・アフター・トゥモロー」は警告する 23年目の気候激変の兆し

Atlantis - stock.adobe.com

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6月5日で映画「デイ・アフター・トゥモロー」日本公開から22年。気候の激変と大災害が文明終焉を引き起こすパニック映画の名作は、時を経るごとに増していく現実の危機の深刻さを訴えかける。

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大西洋の海流循環AMOC(大西洋子午面循環)の崩壊リスクが、これまで考えていたよりもはるかに高まったという最新の研究が4月に相次いで発表され、注目を集めている。

AMOCは赤道付近の暖かい海水をメキシコ湾を経て高緯度に運び、そこで深層に沈み込んで南下する巨大海流で、このベルトコンベアーのような熱輸送によってヨーロッパは同緯度のカナダより温暖に保たれている。しかし、近年急速に進行した温暖化によって北極圏の氷が溶け、大量の淡水が大西洋に流れ込むことでAMOCの力が弱まってきているという。このことは1980年代から懸念されてきたが、AMOC崩壊が避けられなくなる臨界点は、従来の気象モデルでは今世紀末だった。それが、今世紀の半ば過ぎにも訪れる可能性が出てきたのだ。

AMOC崩壊、つまり海流循環の停止によって熱が北半球に供給されなくなると、ヨーロッパは短期間で寒冷化し、アメリカ東海岸の海面水位は1メートル上昇するという。無論これは起こり得る現象の一部だ。南極海で吸収されていた大量の二酸化炭素は空気中に放出されるようになり、南半球の温暖化が加速するだけでなく、世界各地で気象や気候の変動が相次ぎ、食料事情にも重大な結果をもたらすだろうとの予想も出ている。

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AMOC崩壊から始まる北半球の大異変を描いたのが、『デイ・アフター・トゥモロー』(ローランド・エメリッヒ監督、2004)である。先に言及した研究結果がCNNなどで発表された時、SNSでは「デイ・アフター・トゥモローの世界だ」という感想が散見された。このタイトルを冠した作品はその後いくつも作られているが、パニック映画としての完成度では最初の作品の評価が高い。

パニック映画のモチーフは、地震や洪水などの自然災害、飛行機や客船、高層ビルなど閉所での事故や火災、パンデミック、巨大生物やエイリアン、ゾンビの襲撃……とさまざまだが、70年代にジャンルとして定着し、90年代後半以降はCG技術の進歩と環境問題への関心をバックに、ある程度の科学的根拠を示しながら地球規模の危機を描く作品が数多く登場した。本作はその代表的なものであり、公開の2年前に起こった、温暖化が要因と見られる南極での棚氷の崩壊現象を物語の冒頭に置いていることや、主人公の気象学者が主張する理論が学説に基づいていることと合わせて、一定の現実味を帯びている。臨界点が今世紀半ば過ぎというショッキングな研究結果が出た今、改めて見直してみたい作品である。

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文=大野左紀子

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