工芸とクリエイターが共創する「Craft x Tech」展 第二弾を開催

工芸の担い手とクリエイターが協働して生み出した作品を紹介する展覧会「Craft x Tech Tokai Project 2026 Tokyo Exhibition」が、5月30日から6月2日まで東京・九段ハウスで開催中だ。

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会場には、美濃焼、美濃和紙、有松・鳴海絞、尾張七宝、瀬戸染付焼、伊賀くみひもといった東海地方を代表する6つの工芸産地と、国内外のクリエイターが協働して制作した作品を展示する。

この「Craft x Tech」プロジェクトは、デザイナーの吉本英樹率いるアート&デザインスタジオTangentによるもの。2019年に構想がスタートし、2024年には東北地域を舞台にした第一弾プロジェクトを実施し、作品はその後、スイス・バーゼルや英国・ロンドンでも展示された。

吉本は、「通常は出会うことのない日本の職人と気鋭のクリエイターを引き合わせたら何が生まれるのか」という問いからこのプロジェクトを構想したという。工芸とクリエイティブの領域を横断することで、新たな表現の可能性を探る試みだ。

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今回もクリエイターが産地に入り込み、職人たちと対話を重ねながら作品を制作した。例えば、瀬戸染付焼と現代美術家の寒川裕人(ユージーン・スタジオ)、有松・鳴海絞とロンドンを拠点に活動するデザイナーのベサン・ローラ・ウッド、伊賀くみひもと南アフリカ出身のアーティスト、アタン・ツイカレらが協働。各工芸が持つ素材や技法を手がかりに、職人とクリエイターが対話や試行錯誤を重ねたという。

今回の東海プロジェクトで掲げられたテーマは、「Craft as Response(応答としての工芸)」。吉本は工芸を、固定された「伝統」や「形式」としてではなく、時代の変化に応じて更新され続けてきた営みとして捉える。自然環境や技術、社会、経済といった条件に対し、つくり手たちが「何を受け入れ、何を変え、何を残すのか」を選び取りながら発展してきたものが工芸という考え方だ。

「作品を完成させることが最終的なゴールではない。これらの作品がアンバサダーのような存在となって、日本工芸に対する固定的なイメージを少しずつ柔らかくしていくことを期待している」と吉本は話す。

「『日本の工芸ってこんな表情も出せるんだ』『こんな新しいことができるんだ』ということを世界の人たちに知ってもらいたい。そうした発見が広がっていけば、やがて一つのムーブメントにつながるかもしれない。時間はかかるかもしれないが、最終的に日本の工芸産業へ何かを還元できるようになれば、このプロジェクトを続けてきた意味があると思います」(吉本)

今秋にはロンドンでの巡回展も予定されている。

文=松崎美和子

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