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2026.06.01 13:15

大谷翔平効果を最大化 ドジャース副社長が明かした熱狂を強固な収益に変える共創戦略

ドジャース副社長セバスチャン・リバス氏

ドジャース副社長セバスチャン・リバス氏

ロサンゼルス・ドジャースのワールドシリーズ連覇は、日米のスポーツ市場を熱狂で包み込んだ。世界最高峰の舞台で大谷翔平、山本由伸、そして佐々木朗希という日本の至宝が大活躍し、歴史的な勝利を収めた事実は、プロスポーツにおける最高のエンターテインメントと言えよう。しかし、この熱狂の裏側には、グラウンド上の勝利を極めて冷徹かつ精緻に持続可能なビジネスへと変換し続ける、名門球団ドジャースの強固な組織戦略がある。

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巨額の資金を投じスーパースターを獲得することは、プロスポーツにおける投資の定石だ。だが、獲得した才能がもたらす熱狂をいかにして長期的な収益基盤へ組み込むのか。ドジャースはなぜ今、スポーツビジネスの世界最高峰に君臨しているのか。

来日したドジャースのビジネス戦略・分析部門を率いる副社長セバスチャン・リバス氏に特に日本についての戦略を聞いた。

想像をはるかに超える大谷翔平の経済効果

プロスポーツチームにおいて、スター選手の獲得は事前に緻密なシミュレーションが行われる明確な投資行動だ。しかし、大谷翔平という特異なコンテンツは、ドジャースの優秀なアナリストたちが弾き出した予測値を容易に飛び越えてしまったようだ。

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大谷がもたらしたチーム経済効果の中でもっともインパクトをもたらした分野をリバス副社長に訊ねると、率直にビジネスの現実を明かした。

「正直なところ、特定のものを一つ挙げるのは難しいです。というのも、大谷がもたらすであろう効果に対する期待はもともと存在していましたが、彼はそのすべての期待を軽々と超えてしまったからです」

大物選手が移籍した直後にマーケティング上の特需が生まれる。だが、それは時間とともに必ず落ち着きを見せる。大谷の場合はその常識すら通用しない。

「グッズ販売の責任者と私はいつもこの話をしているのですが、大谷がこの組織、そしてMLB全体にもたらす持続的な成長には驚かされるばかりです」

特筆すべきは、大谷の加入が単なる売上の増加にとどまらず、組織内部のモチベーションと業務水準を根本から引き上げている点である。スター選手の存在は、フロントオフィスの行動原理をも変革する力を持っている。

「我々にとって素晴らしいのは、大谷のおかげで全社的に各部門が最高のパフォーマンスを発揮し、基準を引き上げるよう刺激を受けていることです。彼は期待値のレベルを引き上げ、機会のレベルも引き上げてくれました。我々全員にとって、それぞれの専門分野でより良くなるためのチャンスを本当に広げてくれたのです」

それでも驚愕の指標がどれだったか、ひとつ選択してほしいと聞いた。

「あえて一つ選ぶとしたら『チケット販売』です。スタジアムツアーへの参加人数や、日本のファン以外にも大谷が惹きつける人々の広がりを目の当たりにすると驚かされます。ヒスパニック系にも、大谷が毎日成し遂げている偉業の大ファンが多く、彼が打席に立つとき、投球するときはいつでもスタジアムを埋め尽くし、その場にいたいと願っています」

特定の人種や国籍の壁を越え、多様な人々をスタジアムに動員できる大谷の存在は、ドジャースのグローバルマーケティングにおいて比類なき推進力となっている。

山本由伸がもたらした勝者のメンタリティ

一方、大谷の歴史的な活躍の陰で、ビジネス面において山本由伸がもたらす巨大なインパクトも見逃すことはできない。重圧のかかるポストシーズンで見せた圧倒的なピッチングは、現地のファンベースにその存在を深く刻み込んだ。山本の獲得を裏付けた最大の分析データは何かという問いに対し、副社長は自身の専門外だと認めた上で、ビジネスマンとしての驚きを口にする。

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文=松永裕司

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