欧州

2026.05.28 07:30

ロシア軍の後方に「火星人」ドローンが来襲 前線への兵站を破壊

ロシアの支配下にあるウクライナ南東部マリウポリ方面の幹線道路で、ウクライナ国家親衛隊第1軍団「アゾフ」がロシア側の補給車両をドローン(無人機)で攻撃した様子。アゾフ軍団がXで共有した動画より

FPVドローンの射程外では、状況はこれまで比較的正常だった。車両や燃料・弾薬集積所が被害を受けるのは、65km以上先まで到達可能な「ブラバ」のような固定翼型の比較的長距離のドローンによる散発的な攻撃の場合に限られていた。

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それは「火星人」の来襲で一変した。

「たいていの場合、このドローンは低高度(約200m)でわれわれの輸送経路沿いを飛行し、その後、目標をロックオン(捕捉・追尾開始)して攻撃する」と、この新型ドローンの実機を詳しく調べたというロシアの軍事ブロガー「魔女の槌(モーロト・ベージム)」は書いている。「きわめて危険なドローンだ。音が聞こえにくく、探知機にも映らず、われわれの後方深くまで飛来し、しかも電子戦への耐性もある」

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「火星人」というあだ名(編集注:「火星人-2」とも呼ばれている)は、このドローンが米航空宇宙局(NASA)の火星探査ミッション向けに開発されたナビゲーション(航法)技術を使用しているというロシア側の見方から来ている。GPS(全地球測位システム)で位置を把握するのではなく、このドローンは視覚航法を用い、地形の特徴を内部地図と照合しながら飛行する。そのため、ほかのドローンには効果を持ち得るGPSジャミング(電波妨害)は役に立たない。

魔女の槌は、このドローンに米クアルコム製の半導体が搭載されていることに言及している。また「組み立て品質は非常に高く、それは(中略)使用されているケーブルからもうかがえる」と評し、これは「全体として見ると、このドローンが西側で組み立てられたか、もしくは敵(ウクライナ)側のドローン生産の質が大幅に向上したことを示している」と分析している。

火星人は、AI(人工知能)を活用した視覚システムによって目標をロックオンする。高性能な光学機器により、遠距離から目標を識別し、追尾できる。

ロシア製の信管は信頼性が低い傾向にあり、不発に終わった攻撃ドローンの残骸の画像がたくさんある。一方、魔女の槌によれば火星人は「ほぼ100%」の確率で起爆するため、解析可能な残骸が見つかることはめったにないという。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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