企業のAIツール導入が進んでいる。AIによる業務の効率化を示すさまざまな調査結果も見られるが、現場の従業員は、会社から与えられたAIツールにかならずしも満足していないという声も聞く。ここにひとつ、気になるレポートがある。そこでは、「テクノロジーフリクション」による生産性の低下が示された。
アメリカを拠点に世界160カ国でデジタルアダプションプラットフォーム(DAP)を提供するWalkMe(ウォークミー)の日本法人は、「デジタルアダプションの状況 2026」レポートを発表した。そこで実施された14カ国の、従業員1000人以上の企業に勤める経営層および従業員3750人を対象にした調査からは、驚きの事実がわかった。企業のAI投資が「記録的水準に達している」一方で、従業員のAIツール離れが生じているというのだ。その原因のひとつが「テクノロジーフリクション」だ。

テクノロジーフリクションとは、テクノロジーとユーザーとの間の摩擦を意味する言葉。たとえば、使いづらいAIツールを与えられ、業務がスムーズに運ばずフラストレーションが溜まるといった状態だ。そんなテクノロジーフリクションによるフラストレーション対策に、従業員は1週間の営業時間のうち7.9時間を費やしていることがわかった。約8時間、1営業日分だ。摩擦による損失時間が、2025年の調査から42パーセントも増加している。AIツールの急速な展開がテクノロジーフリクションを増長しているためと考えられる。



