ニコチン入りの電子たばこに切り替えた人は、ニコチンを含まない電子たばこの使用者に比べ、禁煙に成功する確率が有意に高いことが新たな研究から示された。
医学誌「米医師会紀要(JAMA)」に掲載された研究では、毎日喫煙し、禁煙を希望する104人を対象に追跡調査を行った。参加者は2つのグループに分けられ、ニコチン含有の電子たばこまたはニコチン不含の電子たばこが与えられた。
研究を完了したのは69人で、ニコチン含有と不含のグループの人数はほぼ同数だった。ニコチン入りの電子たばこを割り当てられた参加者は、ニコチンなしの製品を割り当てられた参加者より、6週間以内に禁煙に成功する確率が3倍高かった。ニコチン含有量以外は電子たばこは同一で、参加者はどちらを割り当てられたかを知らされていなかった。
論文の筆頭著者である米ペンシルベニア州立大学医学部のジェシカ・イングスト准教授は次のように述べた。「承認された薬物療法では禁煙できなかった喫煙者にとって、ニコチン入り電子たばこへの切り替えが有害物質への暴露を実際に減らすことにつながり、禁煙を後押しすることを今回の研究は示唆している。これは公衆衛生にとって意義深い発見だ」
今回の研究では、特にポッド式の塩基性ニコチン電子たばこという、人気のある製品に焦点が当てられた。また、この研究では参加者から尿と血液のサンプルを採取し、たばこの煙に含まれる有毒かつ発がん性のある化学物質への暴露に関連するバイオマーカーを分析した。その結果、ニコチン入り電子たばこを使用したグループではその水準が有意に低く、これらの参加者の喫煙量が減少していることが示された。
ただし、今回の研究は短期的に禁煙に成功した人のみを対象としたものである点に留意する必要がある。研究によると、1~3カ月間禁煙に成功した人の約4分の3は、喫煙を再開している。研究者らはまた、今回の知見を、電子たばこが非喫煙者にとって何らかの形で有益であるという意味に誤解してはならないと強調した。
米肺協会(ALA)や米疾病対策センター(CDC)をはじめとする保健機関は、電子たばこでも、ニコチンなどの有害な化学物質に使用者がさらされることになると警告している。また、子どもや若者が電子たばこを使用することで、ニコチン依存症や紙巻きたばこへの移行につながるのではないかとの懸念もある。
ニコチンはたばこに含まれる依存性物質で、ニコチンパッチなどの禁煙補助製品にも含まれている。喫煙依存症は、ニコチン依存だけが原因ではない。口にたばこを運ぶ動作や吸引、喫煙時の無意識の動きといった行動習慣も、多くの喫煙者にとって禁煙が困難な理由の1つとなっている。電子たばこはこうした行動の一部を再現するため、禁煙への移行を助ける場合もあるとみられている。
イングスト准教授はこう結んだ。「ニコチンの摂取方法が重要だ。ニコチン入り電子たばこは紙巻きたばこと同程度のニコチンを供給し、喫煙欲求を満たしながら禁煙への移行を容易にする一方で、有害化学物質への暴露量は大幅に減少する」



