サイエンス

2026.06.07 18:00

人類の脳が巨大化した理由は「肉食」にあり。150万年前の化石が示す真実

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人類は、肉を食べるように進化してきたのだろうか。この問いに対しては、確信に満ちながらも、互いに相容れない答えが複数返ってくる。

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肉好きに尋ねれば、人類は頂点捕食動物であり、生物学的に見ても、赤身肉や骨髄を食べるようできている、と答えるだろう。完全菜食主義を貫くヴィーガンに尋ねれば、霊長類の親戚を例に挙げながら、チンパンジーはおおむね植物を食べて生きていると答えるだろう。パレオ食(狩猟採集時代を再現する食事法)を推奨する人に尋ねれば、その中間とも言える、ジビエや季節のベリーを多く含んだ食生活が基本だと言うだろう。

困ったことに、これら3つの答えはどれも、ある程度は正しい。だからこそこれは、真に興味をそそられる科学的疑問なのだ。「人類本来の食生活」を巡る議論は、単に栄養学的な小競り合いなどではない。一つの種としての人類とはいったい何者なのか、どこからやってきたのか、人間の体が今のような仕組みになったのはどうしてなのか、という核心に切り込む疑問なのだ。

進化論的・生物学的なエビデンスからは、どんなことが実際に明らかになっているのだろうか。ふたを開けてみれば、食生活を巡る議論に参戦するどの集団が認めたがる意見よりも、もっと微妙で、もっと興味をそそられる事実がわかってきた。

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200万年以上に及ぶ肉食の歴史

まずは、化石から見ていこう。というのも化石は、一つの点について、明白な証拠を提出するからだ。つまり、私たちの祖先は、はるか昔から肉を食べていた、ということだ。

エチオピアのゴナ遺跡で発見された動物の骨には、石器で付けられた傷が残っており、さかのぼること約260万年という、ホモ属(ヒト属)が完全に定着するはるか以前に、動物の肉が処理されていたことが示されている。タンザニアのオルドバイ渓谷で発見された証拠によると、150万年前には初期人類が、単に死肉をあさるにとどまらず、狩りをしていたことも示されている。

これらのエビデンスについて最も包括的にまとめた分析は、2021年に『American Journal of Physical Anthropology』に掲載された論文で発表された。論文著者らは、遺伝学から動物考古学、安定同位体分析、比較生理学にいたる約400の科学論文を網羅した結果、ホモ属は200万年近くにわたって「ハイパーカーニボア(超肉食性動物)」だったと主張している。

ハイパーカーニボアとは、ホモ属が食事から摂取していたエネルギー量の70%以上が動物性であり、現代のオオカミやハイエナのような、大型の社会的な捕食者とほぼ同じだったという意味だ。これは実に驚くべき主張であり、批判がなかったわけではない。しかし、これを裏付ける解剖学的な証拠は、単なる目を引く数字よりも重みがあり、否定するのは難しい。

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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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