起業家

2026.05.28 08:30

連続起業家・裙本理人はなぜスペースXとビットコインに投資するのか。新時代の「富のポートフォリオ」

裙本理人|GOOD NEW Founder 代表取締役社長CEO

裙本理人|GOOD NEW Founder 代表取締役社長CEO

Forbes JAPAN 2026年7月号は「世界のビリオネアランキング」特集。史上初の「1兆ドル長者」に迫るイーロン・マスクをはじめとした億万長者たちの2026年版最新リストを公開する。表紙を飾るU-NEXT HOLDINGS代表取締役社長CEO・宇野康秀を成功に導いた「アイデアノート」や、孫正義、柳井正ら日本のビリオネアが実践するノート活用術を紹介。さらにウォーレン・バフェットら偉大な投資家たちの習慣など、富を築く者たちの哲学とルーティンを紐解く。

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32歳で住友商事を退職し、再生医療関連事業を展開するセルソースを創業、わずか3年11カ月で東証マザーズ市場に上場させた裙本理人。現在は社長を退任し、不動産業やデザイン、スマート農業などを手がけるGOOD NEWグループを自己資本で創業した。築いた富をもとに新たなビジネスを志向する一方で、同年代の仲間とともに設立したファンドでの投資や、故郷への寄付も積極的に行っている。「『品格』のあるお金の使い方こそ、本当の豊かさをもたらす」と裙本は説く。新たな挑戦を続ける40代連続起業家がたどり着いた「富のポートフォリオ」に迫る。

裙本にとって、最初の起業は「自由」を手に入れるための挑戦だった。住友商事に入社し仕事にも給料にも満足していたが、「何かが足りない」と感じていた。自問自答を繰り返した結果、「自分にとっての幸せとは『自由』だ」と気づいた。裙本が定義する自由とは、ある程度余裕のある暮らしができる「経済的自由」、好きなときに好きな場所に行ける「空間的自由」、尊敬できる仲間とだけ時間を過ごす「人間関係の自由」の3つだ。

セルソースの創業と上場により、裙本は目標としていた3つの自由をある程度手に入れた。しかし、組織が拡大していくなかで、経営者としての壁にも直面する。「組織がひとつの船として同じ方向に進むためには、ベクトルの共有が不可欠です。そこにわずかなカルチャーギャップのズレが生じると、組織の推進力はどうしても落ちてしまう。それを実体験として痛感しました」。

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そこで、理想とする組織と事業をもう一度ゼロからつくり上げるため、最大3億円ほどの資金を自己資本で賄い、GOOD NEWを設立した。同時に、自身が築いた富の使い方も再定義するようになった。起業を通して知り合った多くの成功者の先達たちと接するなかで、稼ぎ方よりも使い方が重要だと気づいたからだ。「お金の使い方には、その人の『品格』が表れます」と裙本は語る。

KEY WORD|セルソース
2015年設立の再生医療関連スタートアップ。従来は医療機関内で行われていた細胞の培養・加工を外部から引き受ける「セントラルキッチン」方式を確立し、脂肪由来幹細胞や血液由来の細胞加工の受託サービスなどを提供する。19年に東証マザーズ市場へ上場。現在は東証スタンダード市場に上場している。

KEY WORD|GOOD NEWグループ
2026年2月に裙本理人が設立した企業グループ。新規事業の創出を担うGOOD NEWをホールディングスとして、傘下に不動産の取得や運用を行うGOOD NEW Estate、デザインやブランディング、クリエイティブ戦略を統括するGOOD NEW Designがある。スマート農業への参入も進めている。

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文=中居広起 写真=淺田 創

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