アジア

2026.05.19 16:16

米国フランチャイズの次なるフロンティア──中央アジア市場の可能性

Collab Media - stock.adobe.com

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ダイアナ・クルバノワ氏はUzFranchiseのCEOであり、Central Asian Franchising & Business Expoの創設者である。

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米国のフランチャイズネットワークは長年、国際展開の計画において欧州、東アジア、あるいは中東に重点を置いてきた。だが、彼らがなお見落とし続けている地域が1つあり、その結果として多くの機会を取り逃している可能性がある。

新興市場に関する私の調査に基づけば、中央アジアは過小評価されている有望市場だと考えている。

現状の概観

フランチャイズ拡大の潜在性を測る最重要指標の1つは地域の経済基盤であり、中央アジアには経済的な勢いがある。カザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタンから成る中央アジア地域の小売売上高の合計は、史上初めて1000億ドルを突破した

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例えばウズベキスタンでは、2025年の最初の3四半期だけで小売が11%増加した。同期間にカザフスタンも安定的に7%増加している。この持続的な需要増は、人口規模の大きさと所得の増加が一因となっている。支出の増加は、外食や小売など、フランチャイズが実際に事業を営むセクターでより顕著になっていると感じる。

デジタル技術の進展も軽視できない。新たなデジタルプラットフォームの拡大はデジタル商取引にとどまらず、消費者エコシステム全体を変革している。フランチャイズにとってデジタルエコシステムの価値は、実店舗の大規模な展開を行わずとも、ブランド力を構築し市場を見極める機会を提供する点にある。市場参入の障壁は日々、低くなっている。

最も心躍る点は、フランチャイズ市場が新しいことである。先進経済では、強い競争のもとで市場シェアの1ポイントごとを争う。しかし中央アジアでは、市場を定義する機会がある。ウズベキスタンには約460のフランチャイズ事業が存在するのは事実だが、フランチャイズ事業がウズベキスタンのGDPに占める割合は0.2%にすぎない。

カザフスタンには約500のフランチャイズプロジェクトがあり、より発展した状況にあるとはいえ、現地市場に共通する特徴として飽和していない点が挙げられる。大手フランチャイズの主要な強みである標準化は、ここではなお目新しいものだ。実証済みのオペレーションシステムを持つ米国ブランドにとって、市場が過密化する前にリーダーとしての地位を確立する機会となり得る。

若く、デジタルに習熟した人口が成熟期を迎え、多くが現地市場の最新トレンドへのアクセスを求めている。彼らは自国において、国際ブランドが約束する信頼性や品質を求めている。それは、いつでも同じ品質のコーヒーかもしれないし、信頼できる小売サービスのモデルかもしれない。「ローカルの汎用品」モデルとは正反対のデリバリーアプリかもしれない。総じて、彼らが求めているのは一貫した提供価値である。

ビジネスリーダーが考慮すべき点

では、現実に立ち返ろう。当然ながら、成功は米国のマニュアルをコピーするだけでは得られない。勝利の方程式は以下の3つの要素に左右されると考えている。

・徹底したローカル適応:必要なのはメニューの翻訳以上のことだ。味の好み、地域の祝祭日、期待されるサービス水準を理解することが極めて重要である。マーケティングは言語を超え、文化の壁を越える必要がある。

・適切なリーダーシップモデル:米国の本社から何十もの部門を管理しようとするのは難しい場合がある。強固な人脈と現地法規への知見を備えた、信頼できるローカルパートナーであるマスターフランチャイジーとの協業を検討するとよいだろう。

・戦略的な忍耐:これは短距離走ではなくマラソンだと心得るべきである。企業は研修、ブランド構築、サプライチェーンの現地化、新市場における総合的な信頼醸成に投資する必要がある。規制の壁は外国フランチャイズにとって往々にして越えがたいことも念頭に置きたい。

課題への備え

この地域は規制や運用上の問題が多く、直面する可能性が高いため、リーダーは事業が容易であると思い込んではならない。規制環境はなお流動的で、規則は定期的に策定されている。都市間で解釈が複数生じ得ることにも備える必要がある。

ライセンス取得、認証、輸入も、ブランドが遅延に直面し得る主要領域である。これらの業務は多くの場合、対面での監督を要し遠隔では管理できないため、米国本社側企業による現地での支援が不可欠となる。

流通とサプライチェーンも、事業の種類によっては同様の課題をもたらす。そのためフランチャイズ展開を行う企業は、より大きな課題に直面し得る。多くのフランチャイズは標準化された製品(原材料、機器、承認済みサプライヤーなど)に依存しているためである。さらに、製品の輸入に全面的に依存するとコスト構造が大幅に上昇し、為替変動や通関遅延の影響も受けやすくなる。

したがって、現地の流通戦略を構築し、厳格な品質管理を実行することが、フランチャイズを成功裏に実行するうえで最も経済的に持続可能な方法となり得る。

規律あるアプローチ

関係者全員が、これらの市場への参入は「迅速なロールアウト」にはならないと認識すべきである。むしろ求められるのは、規律あるアプローチと、成長のための練り上げられたロードマップだ。規制当局との協働には、必要な信頼と信用を築くための時間が要る。従業員(特に新規採用者)の訓練や、家主との関係構築も同様である。

したがって、長期の時間軸で社内のパフォーマンス指標の整備に注力する企業ほど、初期の関心を持続的な市場での地位へと転換できる可能性が概して高いと感じている。

要するに、ここ数年で中央アジアはフランチャイズにとって有望なビジネス機会へと変貌を遂げた。従来の市場を越えて挑戦する用意のある米国フランチャイズのオーナーは、大きな恩恵を得られる可能性がある。市場シェアを獲得するだけでなく、市場における自らの立ち位置を確立することも可能だ。一方で、同地域への投資リスクが依然として高いことも事実である。

問いはなお開かれている。ゲームに参入する勇気があるのは誰か。

ここで提供される情報は、投資、税務、または金融に関する助言ではない。自身の具体的な状況に関する助言については、有資格の専門家に相談すべきである。

forbes.com 原文

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