テクノロジー

2026.05.23 12:00

人型ロボが家庭に普及するのは少なくとも3〜5年先──ブームに異を唱えるSanctuary AI

Sanctuary AIのヒューマノイド(Julian Stratenschulte/picture alliance via Getty Images)

ヒューマノイドロボットは製品ではなく労働力であり、GDPである

ここから、もう1つの論点が浮かび上がった。ある意味で、ヒューマノイドロボットは製品ではない。労働力であり、つまりGDPそのものである。

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私は現在、ヒューマノイドロボット分野のほぼすべての企業、ロボット、投資家、資金調達ラウンドを追跡しているが、地理的な集中は際立っている。中国が先行し、米国が2番手にいる。日本、ドイツ、韓国、英国も競争に加わっているが、南米とアフリカは競争に参加すらしていない。ウェルズは、中国が従来型ロボットとヒューマノイドの両方で支配的地位を築くことにより、世界の製造業に占めるシェアをおよそ60%から80%へ押し上げる道筋を描いていると見ている。

実際、彼は最近、カナダ初のAI担当大臣とこの件について話したという。

「何もしなければ、カナダ企業はAIの頭脳を搭載した中国製ロボットを購入せざるを得なくなります。そのロボットをカナダ企業が雇うことになり、経済全体が空洞化します」。

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同じことは、米国にも、その他ほぼすべての現代的な工業社会にも当てはまる。

ヒューマノイドロボットの「ChatGPTモーメント」はいつ訪れるのか

産業向けにせよ家庭向けにせよ、大きな問いは、ヒューマノイドロボットの「iPhoneモーメント」、あるいは「ChatGPTモーメント」、すなわち、技術と能力の地殻変動が今まさに起きていることが誰の目にも明らかになる瞬間が、いつ訪れるかである。

ウェルズは、その瞬間は1度きりではないかもしれないと言う。

「節目はこれから何度も訪れるでしょう」と彼は語った。「タスクごとにです。1つのタスク群が解放され、また次のタスク群が解放されていくのです」。

最終的なゴールは、研究者がゼロショット学習と呼ぶものである。ロボットがまったく新しい状況に足を踏み入れ、その場で即座に有用な仕事を始めるというものだ(編注:ゼロショット学習は、大規模な事前学習を前提にした上で、タスク固有の具体的な例示・学習データをまったく与えずとも、未知のタスク・状況に対応する仕組み・能力を指す)。率直なところ、我々はまだそこには到達しておらず、いつ到達するのかも明らかではない。

とはいえ現実として、私たちは急速に前進しているのだ。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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