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2026.05.17 10:00

広告企業からAIインフラへ グーグル株がPER過去平均を上回る理由

Sundry Photography - stock.adobe.com

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グーグル株(GOOGL)の株価は現在、400ドル付近で推移している。2026年の予想EPS(1株当たり利益)が14.22ドルであることから、予想PER(株価収益率)は28倍となる。これは過去5年間の平均予想PER(21倍)と比較して35%割高(プレミアム評価)になっていることを意味する。

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グーグルの株価バリュエーションは、マイクロソフト(MSFT)の24倍とアマゾン(AMZN)の31倍の間に位置し、メタ・プラットフォームズ(META)の19倍よりは割高となっている。ここで注目すべきは、その構造的な変化だ。過去1年間で株価が153%上昇した要因は、単なる業績の上振れ(ポジティブサプライズ)だけではない。市場はグーグルを成熟した広告サービス企業から、人工知能(AI)時代をリードするインフラプロバイダーへと認識を改め、目先のキャッシュフローを超えた持続的な将来成長に対してプレミアムを付与しているのである。

受注残がもたらす収益の安定性

この28倍という高い倍率の主な要因は、グーグルのクラウド事業の好調さにある。

2026年第1四半期、クラウド部門は売上高を前年同期比63%増とし、営業利益率を32.9%まで改善した。投資家にとって最も重要な数字は、4620億ドル(約73兆2000億円)に達するクラウド事業の受注残(RPO、残存履行義務)である。この数値が示唆的なのは、複数年にわたる企業向け契約によって確保されたもので、グーグルの連結売上高の1年分以上に相当するからだ。

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この受注残は広告市場の景気変動リスクを軽減し、将来における収益の予見可能性(見通し)を大きく高めている。実験的なチャットツールから企業の業務フローに統合された形へと移行することで、この受注残が継続的で利益率の高いソフトウェア収益へと転換されることが確実になる。AIインフラにおけるこうした果断な実行力は、さまざまなテクノロジーセクターで主要な成長ドライバーとして台頭しつつある。

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