パテック・フィリップは、「ノーチラス」のケース径を38mmに小型化したRef. 5610を発表、オーデマ・ピゲは「ロイヤル・オーク」の小径モデルを複数発売している。カルティエは小型腕時計のラインナップをさらに拡充し、変化を嫌うことで知られるロレックスでさえ、新たにケース径28mm、34mm、36mmの「オイスター・パーペチュアル」を投入して、このトレンドを後押しした。
なぜ今、時計のサイズが小型化しているのだろうか? それにはいくつかの理由が挙げられる。数年前まで流行していた大型で派手なスポーツウォッチは、もはや時代遅れになりつつある。今の時計購入者は、より洗練された、着け心地が快適な、控えめなモデルを求めているのだ。小ぶりな腕時計は、手首が細い人のみならず、手首が太い人が着けても、よりエレガントに見える。
サイズが小さめの時計に対する需要の高まりは、二次流通市場においても顕著だ。ケース径35mmのパテック・フィリップ「ノーチラス Ref. 7118」は、その好例だ。元来はレディースウォッチとして販売されてきたが、小径ケースの需要が高まったことで、より大型で高価な40mmのパテック・フィリップ ノーチラスの代替として、魅力的で現実的な選択肢になった。とはいえ、今や両者の価格差は徐々に縮まり始めている。
ウォッチチャートのデータによると、過去2年間に小径サイズのRef. 7118は二次流通市場価格が52%も上昇したが、より大径(40mm)の「ノーチラス Ref. 5711」(2022年に生産終了)の価格上昇は27%に留まっている。このRef. 7118のアウトパフォーマンス(基準を上回る上昇)の背景には、(Ref. 5711より)魅力的な価格帯であることに加えて、サイズが小さめの時計に対する需要の高まりがある。


