テクノロジー

2026.05.19 12:00

AIデータセンター建設ブーム、電力・需要・立地の3重リスクに直面

stock.adobe.com

ツケを支払うのは誰か

もちろん、これはAIが蜃気楼だという意味ではない。技術は本物であり、需要も本物で、企業での導入も加速している。

advertisement

しかし、現在行われている具体的な賭け、すなわち数千億ドル(数十兆円)規模のGPU高密度施設を米国全土で物理的に建設し、電力を供給し、稼働させることが、内部のハードウェアが価値を失い、推論処理がエッジへ移る前に実現できるという賭けには、深刻な構造的弱点がある。

「バブルのリスクは、AI需要が消えることではありません。企業のAI処理が実際にどこで実行されるのかが分かる前に、巨大な集中型の処理能力を作ってしまうことです」と、クラウド上で大量データの保存を専門とする企業MinIOの共同創業者兼共同CEO、ガリマ・カプールはいう。

歴史が示すのは、変革的な技術はおおむね約束されたとおりに到来する一方で、それを支えるために作られるインフラは、早すぎる時期に、間違った場所に、間違ったコストで整備されがちだということだ。

advertisement

1800年代半ばから後半にかけて、民間企業と政府は、貿易、人口増加、土地価値に関する楽観的な見通しに基づき、何千マイル(何千キロメートル)もの鉄道線路に資金を投じた。多くの路線は人口の少ない地域や重複する経路に敷設され、過剰供給、破綻、そして統合の波を招いた。

データセンターでも、このパターンはすでに見られた。1990年代後半から2000年代初頭にかけて、企業はウェブトラフィックと電子商取引の爆発的な拡大を見込んで、大規模な「インターネット・ホスティング」用データセンターを建設した。そうしたトラフィックは最終的には実現したものの、当初の需要は予測を大きく下回り、多くの施設は十分に使われないか、空のまま残された。

インターネットは世界を変えた。しかし、1990年代後半から2000年代初頭にかけて、それをつなぐ回線網に巨額の資金を投じた企業の多くは、その革命を祝えるほど長くは生き残れなかったのだ。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事