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2026.05.16 10:00

金と銀が数カ月ぶりの高値から急落、インフレ懸念と利上げ観測で市場に警戒感

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金と銀の価格が米東部時間5月15日午前に急落し、これまで銀を2カ月ぶりの高値へと押し上げていた数週間にわたる上昇の勢いが止まった。

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銀の価格は15日午前9時45分時点で76.69ドルと10%以上下落したが、取引時間中につけた日中安値の76.63ドルをわずかに上回っている。

銀は14日にも下落しており、3月初旬以来の高値となった13日に記録した約90ドルから値を下げた。

金の価格も15日に下落し、午前9時45分時点で4,542.90ドルと3%以上の下げとなった。

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アナリストらによると、15日の価格急落はインフレ懸念によるものだという。ANZグループ・ホールディングスのアナリスト、ダニエル・ハインズとソニ・クマリは「インフレ期待の高まり、利回り上昇、ドル高が短期的に金の重しとなる可能性が高い」と述べた。

ANZのアナリストらはまた、「消費者物価と生産者物価が予想を上回る上昇を示したことで、FRB(連邦準備制度理事会)が短期的に利上げを行う必要があるとの懸念が高まった」と指摘した。金利上昇は一般的に、金利を産まない貴金属価格の下落要因となる。

イラン戦争を通じて貴金属と逆相関の動きを見せてきた原油価格は15日午前に上昇し、北海ブレント原油先物は米東部時間5月15日午前9時45分時点で2%以上上昇の108.00ドルとなった。

なぜ銀は今週初めに高値をつけたのか

銀は米国時間5月13日に90ドルの大台に迫り、2カ月以上ぶりとなる水準に達した後、同日89.17ドルで取引を終えた。ブルームバーグによると、銀価格の急騰は主に投資家の銀に対する楽観的な見方の高まりに加え、ドナルド・トランプ大統領の中国訪問などの要因によるものだという。一部のアナリストは、2026年初めに金と銀が経験した記録的な上昇相場が再来し、両貴金属を新たな史上最高値に押し上げる可能性があると示唆していた。

BNPパリバ・フォルティスのチーフ・ストラテジー・オフィサー、フィリップ・ギセルスは先週CNBCに対し、価格上昇を引き起こした要因が「依然として十分に存在している」ため、貴金属は「それほど遠くない将来、おそらく今年中に新たな史上最高値に達する」と予想していると語った。同氏は「戦争の霧が晴れれば」「投資家は金と銀の市場に戻ってくる」と述べ、イラン戦争によるインフレ圧力がこの数カ月間、金と銀の価格変動を激しくさせていたと説明した。

金と銀は、2026年1月につけた史上最高値の約5600ドルと約120ドルからはまだかなり離れた水準にある。両貴金属の価格は2025年を通じて、そして2026年初頭にかけて着実に上昇した後、1月末に急落した。当時アナリストらは、この急落をトランプ大統領が金融政策タカ派として知られるケビン・ウォーシュをFRB議長に指名したことに起因するとしていた。

急落前は、トランプ大統領の関税政策、利下げ、国際的な緊張の高まりなどが歴史的な貴金属価格の上昇相場を牽引したと評価されていた。イラン戦争を通じて、貴金属価格は概ね不安定な動きを続け、紛争中に急騰した原油価格と逆相関の傾向を示した。米国とイスラエルがイランを攻撃した2026年2月下旬から3月初旬にかけて貴金属価格は当初下落したが、和平合意への期待から時折上昇する場面もあった。

forbes.com 原文

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