「相方に内緒で」映画
作品は単独ライブの幕間映像として制作された。上映時間は最大でも20分。さらに、相方・松井ケムリには映画撮影であることを伏せたまま出演してもらうという仕掛けも設定された。
「ライブの合間に流す映像なので、長くても20分に収めたい。それなら場面が限定されている方が短くまとまりやすいんです。それに、相方(松井ケムリ)には映画を撮っていることを内緒にしたかったのも大きいですね。外でロケをするとバレてしまう。閉鎖空間でできるものにしようと考えました」(くるま)
今回のプロジェクトは、全編をバーチャルプロダクション(LEDスタジオ)で撮影するという技法面での挑戦もあった。
LEDスタジオは、NHKの大河ドラマやNetflix版『新幹線大爆破』でも採用された最新鋭の撮影手法で、巨大LEDパネルに背景を映し出し、スタジオにいながらリアルな屋外シーンを再現できるというものだ。


本作では、スタッフが実際に首都高を自動車で走りながら撮影した風景素材を背後のLEDに投影。俳優はスタジオ内に停車した車の中で、あたかも本当に走行しているかのように演技を行った。撮影用カメラは、各車両のドライブレコーダーの位置に「定点」として据え置かれた。
「初監督作品でありながら、定点カメラでのワンシチュエーション、さらにバーチャルプロダクションという特殊な環境での撮影でした。ですが、くるまさんはやりたいことが明確で、それをスタッフに伝えるのがうまかったですね」(雨無)
「車内にカメラをつけるのは『(ロケよりも)簡単に撮れるからいいですよね』くらいの感覚だったんですが、実はすごい大変な撮影なんですよ。でも、僕らが提示した『見たことない課題』が面白かったみたいで。カメラさんも照明さんも音響さんも、職人魂に火がついて、みんな真剣に面白がってくれたんです」(くるま)


