ビットコインはこの1年間苦戦を強いられ、約25%下落した。トレーダーたちがウォール街の暗号資産市場を一変させる可能性のある動きに備える中での出来事だ
ビットコイン価格は1BTCあたり約8万ドルまで下落し、2025年10月に記録した史上最高値12万6000ドルから値を下げている。ただし直近の安値から30%反発したことを受け、16兆ドル(約2530兆円)規模の「スーパーサイクル」への賭けも出ている。
そうしたなか、暗号資産市場が2つの巨大な地殻変動に身構える今、プライバシーを重視したビットコインのライバルであるZcashの価格が急騰し、一部の初期採用者たちはこれをビットコインの後継として称えている。
「Zcashは2013年頃のビットコインのような感覚だ」と、元暗号資産ビリオネアで暗号資産上場投資信託(ETF)のパイオニアであるGrayscale Investmentsの創業者バリー・シルバートはウォール・ストリート・ジャーナルに語った。
Zcashはビットコインのコードを元に派生(フォーク)した通貨であり、Forbesが報じたところによると、2016年に悪名高い内部告発者エドワード・スノーデンが共同で開発に関わった。この1年間で1100%以上急騰しており、ビットコインおよび暗号資産業界の大物たちからの支持が追い風となっている。
Zcashの時価総額は現在90億ドル(約1兆4300億円)で、ビットコインの1兆6000億ドル(約253兆円)のごく一部にすぎない。
5月初め、暗号資産投資会社Multicoin Capitalは、Zcashに「相当規模のポジション」を構築したことを明らかにした。この暗号資産のプライバシー機能が、取引の詳細やユーザーの身元を秘匿することで、保有者を公開所有のリスクから守るためだという。
「Multicoinはその投資理論(テーゼ)を表明するため、Zcashに相当規模のポジションを取った」とトゥシャール・ジェインは暗号資産カンファレンスで語った。この発言はCoinDeskが報じた。
Zcashはゼロ知識暗号を用いて秘匿化されたプライベート取引を可能にするよう設計されている。米ドルに連動し、企業や政府によって監視・凍結される可能性のあるオンチェーン・ステーブルコインが広く普及するなかで、Zcashを受け入れる動きも広がっている。



